【感想・ネタバレ】新装版 ゲッベルスとナチ宣伝戦 一般市民を扇動する恐るべき野望のレビュー

あらすじ

宣伝省の中に政府がある・・・・・・
全てのメディアを掌握したプロパガンダの怪物の正体!

15000人の職員を擁した世界最初にして、最大の「国民啓蒙宣伝省」
ヒトラー、ナチ幹部、国防軍、そして市民を従属させた、その全貌を描く。

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Posted by ブクログ

 ゲッベルスの生涯とナチス政権のときに用いたプロパガンダを紹介した本。ゲッベルスの人生を見ていくと、家庭は決して裕福ではなかったこと、自身の身長が低かったことや足に不自由があったなど、多くのコンプレックスを抱えていたことがわかる。ヒトラーが政権を掌握して、1933年全権委任法を可決する。これにより、ヒトラーに権力が集中して、宣伝省設立とそれに伴うプロパガンダによって大衆を本格的に操る。プロパガンダは、多くの人に伝えることを前提としているので、大衆が理解できるように工夫する。スローガンは単純化して、繰り返し相手に伝えるなど、ひたすら迅速性と合理性を追求することで効果があらわれる。しかしナチス政権が恐ろしいのは、権力を行使してラジオ放送局、映画、文学などに次々と介入して、大衆が気づかないうちを統制したことである。それはドイツ国内にとどまらない。オーストラリア併合を達成する為に、オーストラリアに対して、ラジオを利用して印象操作した。この戦略が功を奏したのか、オーストラリアはドイツに好意的な印象を持つようになった。上記以外にも多くの場面で周囲をひたすら洗脳させたが、ドイツが降伏する直前の時期になると、初期のころと比べて効果は小さく、無力に等しかった。

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2024年06月02日

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