【感想・ネタバレ】名門再生――太平洋クラブ物語のレビュー

あらすじ

【内容紹介】

経営破綻した大平洋クラブを買収した遊技業界トップのマルハン。社長の韓俊は気落ちしていた人間たちを元気づけ、力を引き出し、数年で同社を再生させた。そして、一度は地に落ちた太平洋クラブというブランドは今や価値を向上させている。

「ゴルフのことなど何もわからないくせに」と陰口をたたかれながらも、同社のすべてのコース(18か所)を黒字化した。

突然、現れたアウトサイダーがゴルフ業界の慣習を打ち破り、会社と働く人間を再生させた名門復活ストーリー。

【著者紹介】

[著]野地 秩嘉(のじ・つねよし)

1957年東京都生まれ。早稲田大学商学部卒業後、出版社勤務を経てノンフィクション作家に。人物ルポルタージュをはじめ、ビジネス、食や美術、海外文化などの分野で活躍中。『TOKYO オリンピック物語』でミズノスポーツライター賞優秀賞受賞。『キャンティ物語』『サービスの達人たち』『なぜ、人は「餃子の王将」の行列に並ぶのか?』『高倉健インタヴューズ』『トヨタ物語』『スバル ヒコーキ野郎が作ったクルマ』『日本人とインド人』『京味物語』『警察庁長官 知られざる警察トップの仕事と素顔』『新TOKYOオリンピック・パラリンピック物語』ほか著書多数。

【目次抜粋】

プロローグ 2021年 三井住友VISA太平洋マスターズ最終日

第1章 太平洋クラブとその歴史

第2章 韓俊の挑戦

第3章 イズムとクリンリネスから始まったこと

第4章 改革は続く

第5章 改革の仕上げと町なかのコース銀座

第6章 達人たちの改革体験

第7章 改修の話 御殿場、八千代と金乃台

第8章 ゴルフ場の経済学

エピローグ 富士山とゴルフと林のなかの男

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Posted by ブクログ

太平洋クラブという一世を風靡したゴルフクラブは、バブル崩壊後の財務状況の悪化や、経営努力の不足により会社更生法の適用を受け、パチンコで有名なマルハンのスポンサーにより再建の道を目指した。

これまでゴルフクラブの再生といえば、アコーディアのように低価格、高稼働なゴルフ場にすることであったが、太平洋クラブでは高級路線のまま再生を図り、見事成功した。

そこにはパチンコ業界にありながら、施設型アミューズメント事業と自らを位置づけ、マルハンイズムを作り出すことでパチンコ業界のトップにのしあがったマルハンの経営手法に秘密があった。

こうした今まであまり描かれることのなかった世界がまとまっており、内容としてはとても面白かった。惜しむらくは、リクルートの会長やYouTuberなど、あまり本編とは関係のないインタビューが末尾にあり、蛇足感があった。

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2022年08月30日

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