あらすじ
齋藤次郎――。かつて小沢一郎と組み、増税による「財政再建」という、経済・財政政策としての保守本流路線に賭けた筋金入りのエリート官僚がいた。齋藤は二度勝負した。大蔵事務次官時代の1994年には、細川護熙連立政権を使って国民福祉税の導入を試み、退官後の2007年には、読売新聞主筆の渡邉恒雄を巻き込み、自民、民主両党の大連立構想を梃にドイツ型の増税を目指した。毎日新聞の元政治部長による伝記的ノンフィクション。
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Posted by ブクログ
【齋藤はなぜかくまでして財政規律の回復(=財政健全化)の道を追求しようとしたのか。国民の嫌がる増税をかくも執念深く追いかけたのか。しかも、二度も失敗したのはなぜか】(文中より引用)
官庁の雄として名高い財務省の中でも「十年に一度の逸材」として永田町・霞が関に名を轟かせた齋藤次郎。政治の領域にまで及んだその影響力を振り返りながら、頑なに財政健全化を目指し続けた信念の源に迫る一冊です。今日のシステム的にも、こういう人は生まれづらくなっているのではないだろうかという思いを抱きました。著者は、毎日新聞の政治部長を務めた倉重篤郎。
冷戦後の現代史って意外に知らないことが多いなと☆5つ