あらすじ
「あなたたちは国連を終わりにするのか。いいえと言うならただちに行動すべきだ」。2022年4月5日、ウクライナのゼレンスキー大統領は、国連安全保障理事会でのオンライン演説で訴えた。安全保障理事会で拒否権を持つ五つの常任理事国の一国であるロシアによるウクライナ侵攻は、安保理の機能を停止させ、国際秩序の根幹を揺るがしている。たった五つの国にだけ拒否権という特権を認める歪な仕組みはなぜ生まれ、温存されてきたのか。その誕生からウクライナ侵攻を巡る攻防まで、国連安全保障理事会の真実を描く。
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Posted by ブクログ
タイトルからウクライナ戦争と国連安保理でのやりとりを描いたものかと思ったけど、内容としては、国連の成立から近年にいたる流れの説明が中心。
当初の期待とは違ったけど、ウクライナ戦争と国連の関係を長いスパンのなかで考えるためにはわかりやすい説明だと思う。
あらためて、国際関係というのは、アナーキーであること、つまり国家を超える強制力をもった機関が存在せず、条約があろうが、国際法があろうが、それを強制することはできないということがわかる。
ウクライナの状態をみて、どうして国連はなにもできないのか?と素朴な疑問をもつ人にはいい本だと思う。
個人的には、もうちょっとウクライナ戦争によりフォーカスした具体的な動きが知りたかった。
Posted by ブクログ
先の大戦の戦勝国がいまだに世界を牛耳ることを是とする体制。
しかも5つの内二つは、実のところ、当時建国すらされていなかった国。
その根源は、核戦力。
設立当時からの矛盾を解消できていないと言うか、顕在化してきたというか。所詮暴力に説得力を持たせるための仕組みだな。
s5の話はしなかったし、小国が独立国として同等の力を持つのもいいが、当然、そこにC国が影響力を持って、事実上「暴力」になりかねない部分もある。
結局、核を超える暴力が開発され、それをどこかが独占するしか今の状況が変わることはないんじゃないかなと思わせる。
国連の仕組みの解説は面白かったが、この人の意見は、さほどでもない。あっちの人とまでは言わないけど。