あらすじ
愁里愛(じゅりえ)は源氏、瑯壬生(ろうみお)は平家。争い合う一族の運命をボヘミアン・ラプソディが奏でる、QUEEN全面音楽協力/野田版「ロミオ&ジュリエット」。森の闇から聞こえる匣(はこ)の音――ニセモノな現代(いま)に盗まれた真実のコトバが、恐山のイタコによって召喚される1985年の「神様の声」。沙翁(シェイクスピア)悲劇のレガシーを更新する世紀の戯曲集!
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Posted by ブクログ
昨晩、東京芸術劇場で観た「Q」の舞台の記録。
3年前の初演も観たけれど、コロナやらウクライナやらで世の中の状況が大きく変化したせいもあり、再演である今回のほうがより心の奥底に響いた。
ロミオとジュリエットの物語を源平合戦の時代に移し、戦争とシベリア抑留をからめ、全編を通してQUEENの音楽を用いる。しかも、悲劇の主人公のカップルは過去と現在の二人(松たか子と広瀬すず、上川隆也と志尊淳)が同時に登場して…と、一見ハチャメチャに思える設定も、野田秀樹の手にかかると違和感がないどころか魔法のように相乗効果で何倍にも膨れ上がって感動を呼ぶ。
前半のドタバタ劇が後半では一転し、重く悲しい現実へと突き進む。いくつになっても透明感のある松たか子の存在あってこそのラストシーンは美しく、涙がこぼれた。
大好きなQUEENの名曲「LOVE OF MY LIFE」を聞きながら、じっくりパンフレットを読み、再度舞台に思いを馳せる。
昨年の「フェイクスピア」も、生の舞台でもネット配信でも観たほど素晴らしかった。コロナ禍以来、舞台は不要不急だと槍玉にあげられていたけれど、絶対に失くしてはならない文化だ。
野田さん、来年の新作も楽しみにしています!