あらすじ
さまざまな物を集めて分類、叙述する博物誌。本書には、現生する静物からスフィンクスやクラーケンといった幻想動物が数多く登場する。著者は、これらの「生物」への深い興味を魅力あふれる語り口で分析し、それら対象への愛を鮮やかにつむぎ出す。さながら奇想、怪異の博物誌とでも称すべき傑作エッセイ。
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Posted by ブクログ
人間の想像力は、古来様々な異形の存在を生み出してきた。想像上の怪物や不思議な植物だけでなく、実在の生物も超常的な性質を与えられ、神話や宗教のシンボルとして、人々の生活の隣に息づいてきた。幻想的な生物たちを古今東西の書物に訪ね、その魅力を語る。
スキタイの羊/犀の図/スキヤポデス/クラーケンとタッツェルヴルム/ドードー/蟻の伝説/スフィンクス/象/毛虫と蝶/人魚の進化/大山猫/原初の魚/ゴルゴン/フェニクス/貝/ミノタウロス/火鼠とサラマンドラ/グノーム/海胆とペンタグラムマ/バジリスクス/鳥のいろいろ/虫のいろいろ/ケンタウロス/キマイラ。
「スキタイの羊」に出て来るワクワク島の木がとても気に入っている。表紙を飾るのは、インドに棲むと伝えられた一本足の種族スキヤポデス。一章に一枚掲載される図版も面白いので、もう少したくさん見たいところ。