あらすじ
ラフ・トレード ブック・オブ・ザ・イヤー!
NME ブック・オブ・ザ・イヤー!
「俺たちは自由に、やりたいことをやりたい。
ラリって(ローデッド)、楽しんで、パーティをするんだよ」
『スクリーマデリカ』で90年代が始まる。
サッチャーに奪われ、アシッド・ハウスに救われた、狂騒と祝祭の物語。
グラスゴーのロック少年はいかに真のロックスターになったのか?
パンクへの目覚め、ジーザス&メリー・チェイン加入、プライマル・スクリーム結成、アンドリュー・ウェザオールとの出会い、歴史的名盤『スクリーマデリカ』誕生――プライマル・スクリームのフロントマンがセックス、ドラッグ、ロックンロールのすべてを語り尽くす。
「ギレスピーはロックンロールのオリバー・ツイスト。パンク・ロックのお伽話は剃刀のように鋭く、階級闘争と音楽とスタイルに切り込む。そしてここには世界最高のバンドのひとつが導きだした、他にはない世界観がある。読むのをやめられなかった」――コートニー・ラヴ
「ロックンロールのスピリットをひとりの人間に閉じ込めたら、ボビー・ギレスピーになるだろう。この本はロックする人生だけでなく、それを形成した労働者階級文化の美しさを肯定している。私は読みながら喜びの涙がこみあげ、同時に我々が失ってしまったものに大きな怒りを感じた」――アーヴィン・ウェルシュ(小説家、『トレインスポッティング』原作者)
1961年の夏、ボビー・ギレスピーはグラスゴー・スプリングバーンの労働者階級の一家に生まれる。16歳で退学し、印刷工の見習いとして働きだした彼は、フィル・ライノットから稲妻のようにロックンロールの啓示を受ける。運命は、セックス・ピストルズとパンク・ロックの登場で決定された。それは階級制度に反抗する、聖像破壊のヴィジョンだった。
そしてボビーはついにアーティストとなり、ジーザス&メリー・チェイン、さらにはプライマル・スクリームを始動する。
90年代へ移ると、ボビーの旅はさらに加速する。サマー・オブ・ラブ、ボーイズ・オウンのパーティ、アンドリュー・ウェザオールとの運命的な出会い。新たなエレクトロニック・ソウル・ミュージックがイギリスの意識を動かし、「90年代を始めた」と言われるアルバム『スクリーマデリカ』をリリースする。それは世紀末ブリティッシュ・ポップの未来を過激に作り変えた、ロックンロールの使徒の喜びと驚きに溢れた一枚だった。
【目次】
Part One (1961−1977)
1 スプリングバーン育ち、それが俺だ
2 服はアーサー・ブラック、パンツはハイウエスト(ザ・マウントでのスクール・デイズ)
3 サイキック脱獄(ジョニーを見た少年)
Part Two (1977−1981)
4 見習いパンク
5 新たな宗教
6 文化革命
7 変容するイメージ、変容する意識
8 ファクトリーの連中(刈り上げとカフカ)
Part Three (1982−1985)
9 グラスゴー労働者階級のインダストリアル・ブルーズ
10 スカイブルーのヴォックス・ファントムの叫び
11 祖母がアシッド・ファクトリーで着けたサッシュ
12 ジーザスが歩く
13 十字軍
14 アンフェタミンをキメた革服の男たち
15 サイコキャンディ
16 スプラッシュ・ワン・ハプニング
17 エレクトリック・ボールルームの電撃(脳天を割られ、鎖を外される)
Part Four (1986−1991)
18 ソニックの花、ストロベリーの飛びだしナイフ
19 ブライトン・ロック
20 アシッド・ハウスを祝福せよ
21 オードリー・ウィザスプーンによる福音
22 ウォルサムストーでローデッド(リミクス/リモデル)
23 ボーイズ・オウン・ギャング
24 ハックニーのパラダイス
25 マルクスとマクラーレンの子どもたち
26 アンダーグラウンドがオーバーグラウンドに
27 レット・イット・スクリーマデリカ
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
ボビーギレスピーの少年時代の音楽との出会いや社会情勢まで詳細に表現されていて、レイヴカルチャーの本では詳細に触れられていない当時のUK情勢を補完する側面がありつつレイヴカルチャーに登場するクラブやdjなども出てきてサラサラと読み進められた。また、今の日本と重なる部分もあり、とても心に響く内容です。ボビーギレスピー自身の音楽観はもちろんレコーディングや機材の話もしているし、諸々摂取していたものの話も淡々と語られていて、これを読むにあたってプライマルスクリームを初めて聴いた自分でもサイコーだったので思い入れのある人には更に響くのではないでしょうか。これを読んでスクリーマデリカのピクチャー盤のレコードを買いました。良書。
Posted by ブクログ
ボビーの溢れ出さんばかりの音楽への愛のストーリー。商売よりもロマンティックかどうかを物事の判断にするところが本当に好き。
ボビーが音楽業界に入り込んで行くきっかけ、アラン・マッギーとの関係、フッキーとのエピソードやジザメリ加入から脱退まで、プライマルのデビューからアンドリュー・ウェザオールと知り合ってからのスクリーマデリ発売までの濃厚過ぎる10年が本当に面白かった。音楽が好きすぎてなるべくしてプライマル・スクリームのボビー・ギレスピーになったんだろうなと納得感しかない。
当たり前のように語られるドラッグの話は清々しく、自分は全然賛同しないけどあの時代とは切っても切れないものなんだろうなとは思います。
自分は1989年にドイツに住んでいた時にIvy Ivy Ivyをテレビの音楽番組で見て2ndアルバムPrimal Screamを買って聴いたのが初プライマルでそれ以来聴き続けているけど、その当時から有名なバンドだと思っていたからScreamadelicaのリリース頃までバンドだけで生活できていなかったっていうのはショックだったな。バンドに限らず好きなアーティストや作家などにちゃんと金銭的な見返りがあるよう自分もできるだけ多く推しにお金を落とそうとあらためて思いました。
Posted by ブクログ
ボビーの政治観に驚いた。ものすごく芯があってぶれない社会主義者としての信念がある。
音楽もファッションも「イケてる」空気を読み取るのが上手だったんだね。