感情タグBEST3
Posted by ブクログ 2024年04月01日
瀬尾ワールドは素晴らしい。心が温かくなった。
人の心が読み取れる能力のある梨木君。人の気持ちが何となく読み取れることはあっても、咄嗟に動けるのはすごいこと。優しさが人を救うんだなとしみじみ思った。
ああ読み終えてしまったあと思ったら、初回限定のアフターデイが読めて良かった。なかなか強い女性がバ...続きを読むイトで入って面白かった。常盤さんも頑張っていることだろう。
Posted by ブクログ 2024年02月16日
特に前半は、ほんわかして楽しい気持ちで読んでました。バイト先のちょっと面倒な、でも子供みたいでなんだかにくめない店長とかとのやりとりで、何度か笑えてしまったのは自分が年取った証拠なのかもしれない…こんな人いたなあ。
さほど山もなく谷もなく、でも引き込まれて読みやすくてすぐ読み終わりました。
悪い人...続きを読むは出てこなくて、ほぼほぼ普通の人が出てくるありそうな日常のお話として、今の自分には良い本でした。
Posted by ブクログ 2024年02月12日
常盤さんが幸せになってほしいわー
匠の人の心が読めるってのは自分に言い聞かせる人を助ける理由なのかなと読んでいて思った。
ただ秋音の存在や秋音から聞かされた情報〔同級生の名前〕のことを考えると本当に能力はあり、凡人ではない
店長がどんどん柔和になっていく様子とかも良かったがあまりにも態度が悪すぎる...続きを読むわこれ
泣きながらオムライスを食べた女子高生がいたと言っていてそれが常盤さんだったのよき
初回限定のやつを読んだので付録として付いていた常盤さんが辞めてからの話も良かった
ギャルと匠と店長の話もっと読みたい
Posted by ブクログ 2024年02月08日
話してみて初めてわかることもあるし、話してみても分からないこともある。
その人の表面的なものだけ見てこういう人だと断定するのは浅ましく愚鈍である。
誰かと繋がり合う社会の中でその人の優しさに気づけることは人間関係を良好にする上で大事なものであると感じた。
Posted by ブクログ 2024年02月06日
昔流行った歌の中に『NO.1にならなくてもいい、
もともと特別なOnly one』っていうのがあったけど、
冷静に考えてみるとオンリーワンであることを自覚できることも結構難しい。
私を含め、多くの人は普通、平均、凡人。
テストでは平均点を意識して、
社会に出たら平均年収ってどのくらいなんだろう?と検...続きを読む索する。
ナンバーワンになれなかった時の言い訳として、
普通よりは上だった、と優越感に浸るための道具として、
常に『平均』『みんなと同じ』は私の近くにいる。
主人公の梨木匠は自分は平均的な人間であることに
コンプレックスを抱いているようだけど、
側から見れば彼は普通ではない。
ほとんどの人が2、3日で辞めるアルバイトに半年以上勤め続けているし、
困っている人を見かけたら平気で嘘をつき、授業中でも助けに入る。
彼が『普通ではない』と言っていた家族の面々の方が
至って普通の人間だろうと思うのだけどね。
(本当に才能があるなら、その道で食べていけるはず)
彼の身に起きたものが本当なのかはわからないけれど、
幽霊は霊感のある人に想いを伝えたくて姿を見せると
どこかで聞いたことがあるし、
実際彼のおかげで救われた人は大勢いる。
自分のことって一番気になる存在なのに、
でも一番わからないんだよなぁ…
Posted by ブクログ 2024年04月26日
主人公が、芸術や運動の才能がなく、平凡であると悩んでいたが、相手を理解して、その相手の為に動こうとすることが、一つの才能だということ。
相手を知ることは、まず自分を知ってもらうことも大切であること。
自分のことを気にかけてくれるひとがいること、相手を気にかけることで、誰かが救われるかもしれないこと、...続きを読む、大切なことがいっぱい詰まってました。
Posted by ブクログ 2024年04月14日
前回読んだのが幸福な食卓だったのも相まって真の悪人は誰もいないストーリーが良かった。たまたま、アフターストーリーも収録されてたのを見つけて読めたが大竹さんが地味に好き。
Posted by ブクログ 2024年04月14日
登場人物がみんなストレートな心の持ち主で、暖かい気持ちで読み終えました。この本には、初回限定で短編「アフターデイ」がついてるそうで、これもいつか読んでみたい。
Posted by ブクログ 2024年04月09日
初めは、かっこひとの心が読める能力を持った主人公で、イマイチかな?と思ったけど読み進めるうちに、どんどん引き込まれました。
優しい小説を書かせたらピカイチですね。
Posted by ブクログ 2024年04月06日
「夜明けのすべて」がとても好きな作品だったので、こちらも読んでみることに。
この作品を読んでみて、瀬尾さんの作品が好きな理由がなんとなくわかってきた。
私にとって瀬尾さんの作品は「救い」なんだと思う。
登場人物はみんな何かしら抱えていて、それでも日々なんだかんだ生きている。
今日も誰かとうまく話...続きを読むせたり、話せなかったり。誰かに優しくできたり、できなかったり。
それでホッとしたり、何かしら後悔したり。
登場人物全員が人間らしくて、好きになれる。
なんだか世の中には、本当に憎たらしい人とか、自分の敵とかっていないのかもなーと思えてきて、生きるのか少し楽になる感覚。
また他の瀬尾さんの本も読んでみよう!
Posted by ブクログ 2024年04月06日
梨木くんはエスパーなのか違うのかわからなかったけど、人の心に沿うことができて欲しい言葉を言ってあげられる、そういう人だなと思った。
初回限定の冊子、アフターデイを読むと、その後の大竹さんがバイトにうまく使われている様子が見れて面白いのでおすすめです。
Posted by ブクログ 2024年03月27日
自分の持った能力を誰のために使おうと自由。
でも、誰かのために使うというやさしさが、きっと自分のためにもなる。
読み終わって改めてタイトルを見たとき、いい本だったなと思った。
Posted by ブクログ 2024年03月12日
才能や後悔に悩むキャラ達がオムライス屋で織り成すハートフルストーリー。
少しファンタジー的な要素がある不思議な話。だけど中身はしっかりと現実味を帯びていて、人間関係を考えさせられる。なんといってもタイトル回収が美しく、読破感がよい。よかった。
Posted by ブクログ 2024年03月06日
人を救うことは難しいことだけど、人を掬うことは実は簡単にできるのかもしれない。
主人公の梨木匠くんは人からふとこぼれ落ちた感情が、深く手の届かない地に着く前に拾い、掬うことができる。
まとめると、人の心が読めて人に寄り添うことができる人。
まっすぐに人と向き合い、相手が求めていたであろう言葉をさっ...続きを読むと言ってのけることができる。
人を守る。助ける。救う。そう考えると難しいような気がしてしまう。
だけど、人の感情を掬う。拾う。寄り添う。それは簡単なことなのかもしれない。
何気なく口にした言葉で人を傷つけてしまうことと同じで、何気なく口にした言葉や自分の行動で人を掬うことだってできる。
落ち込んでいた香山くんに声をかけたように、河野さんが初めて教室に入った時、梨木くんがTシャツを見せたように、大竹さんと常盤さんに寄り添い続けたように。
少し光に照らされるくらいがちょうどいい。
後は自分の力で前に進んでいく。
タイトルの「掬えば手には」とはこういうことではないかと思った。
そんな梨木くんのまっすぐさ、勇気、人を想う心が梨木くんに関わる人達を暖かく照らしていた。
彼は人が良過ぎるのではないかと、読み進めながら少し心配にも思った。
誰にでもできることが普通なのか、普通ではないのかそれは本人の捉え方次第だと思う。
誰にでもできることをするのが難しい人だっている。その人にとったら、普通のことではないし、羨ましいことかもしれない。
普通とは多数派の人が声を大にして言っているだけ。普通にいいも、悪いもないと思う。
自分と向き合うのは、自分を1個人で見ることが大切だと思う。
自分は他とは違う1人の人間だと。
最後に常盤さんは行ってしまった。
でも常盤さんを掬えば自分の手には光が残った。(最終ページ14行目)
その光がいつか普通であることに、嫌気がさしていた自分に対しての自信へと変わるのだろう。
初回限定の別冊子のアフターデイも拝読。
後日談として、物語の最後に載せていて欲しかった。
そのくらい彼ら彼女らの今後が気になる終わり方だった。
少も、常盤さんは元アルバイト先のNONNAを「居心地のいい店でした」と口コミしていたことがよかった。
元気でなんとかやっていると分かった瞬間だった。
そして登場人物たちの今後が、明るいものでありますようにと願わずにはいられない。
そんなお話しだった。
Posted by ブクログ 2024年02月25日
人が思っていることが読み取れる少年と、心閉ざした少女、そして口が悪い店長のお話。少年は家族の中で自分だけ普通であることに悩み、大学から一人暮らし。その大学生活の中でのお話。最初はどうかな?と思っていましたが、後半はぐいぐい読めました。初版だけなのかな?アフタートークみたいなのがついていて、それも楽し...続きを読むかったです。
Posted by ブクログ 2024年02月19日
瀬尾まいこさんの本が大好きで
読んだことなかったので詠みました!
今までにないすこしファンタジー気味の
お話でした。
たしかに 人間なにか特別な力が欲しい
と思っている部分はあるよなと思ったりしました。
個人的には大竹さんの人柄が好きでした。
口は悪いけど だんだんと態度が変わっていく様子がみえ...続きを読むてよかったです♩
初回限定についているおまけのお話が
とても好きでした!
Posted by ブクログ 2024年02月11日
初めは、どんな話なんだろう?
と読み進めていくうちに、登場人物それぞれの人生が描かれ、一人一人自分の人生に悩みがある。
それを、向き合ったり乗り越えたり
そんなことを改めて考える機会になりました。
私自身も人生を振り返ると、ものすごく嫌な思い出もありますが、そのおかげで今があって
家族との関係性が...続きを読む深く、仲のいい家族だというのもより感じることが出来ました。
Posted by ブクログ 2023年09月11日
人の気持ちを察し、寄り添おうとする。そうすることで交流が生まれ、心が豊かになっていく。
自身の平凡さに悩みながら、人の心中を掬い取ることでその人を苦境から救おうとする優しき青年の成長を描くハートウォーミングストーリー。
◇
梨木匠。中堅レベルの大学に通う1回生だ。
匠...続きを読むには人より秀でたものがない。それが勉強であれ、スポーツであれ、趣味の領域であれ、何につけても(どんなに頑張っても)平均的な成績や結果しかとれない。そんな取り柄のなさに匠は忸怩たる思いでいる。
けれど唯一、優れた能力かもと匠が拠り所にしているのは人の心中を的確に察することができる能力だった。
それに気づいた中学時代から匠は、その力を駆使し苦境にたつ人の気持ちに寄り沿った行動を取ることで、その人から感謝もされ親しくなることもできた。
ところが大学生になり、バイト先で出会った常盤さんという女性にだけは匠の能力が通用しない。
戸惑いつつも、手探りで常盤さんに寄り添おうとする匠だったが……。
* * * * *
「救う」ではなく「掬う」。まず、このワードセレクトに感心しました。
確かに匠は、相手の置かれた状況や様子からその気持ちを「掬い」とって、相手を窮地から救い出すことができる人のようです。そして掬われた相手は新しい一歩を進められています。これは匠にとって最大の長所と言えるでしょう。
でもこれは、そんな「お助けマン」を描いただけの作品ではありませんでした。
読んでいておもしろかったのは、他人をよく観察しその心情を推察できる匠が、他人からは逆に内面を読み取られているということです。あのオムライス屋オーナー・大竹にさえ見透かされていました。つまりまだまだ未熟な若者なのです。
このアンバランスなキャラ設定こそリアリティがあり、さすが瀬尾さんだと思いました。
終盤の「この世ならざるもの」の声を匠が聴きとって、冬香をはじめ自身の成長にまで結びつけるというオカルトファンタジーのくだりについては、少しやりすぎかなと思うけれど、匠の成長物語であることを考えれば、これもアリかと笑ってしまいました。
それから、初回限定付録のスピンオフ短編『アフターデイ』がとてもおもしろかった。
2回生になった匠は、その言動から察するにどこか吹っ切れたようで、将来に向けて進み始めているようです。
その成長した姿がオムライス屋のオーナーの視点でコミカルに描かれていて、よいデザートでした。この読後感のよさ、やはり瀬尾さんだなあとうれしくなりました。
Posted by ブクログ 2024年04月29日
中学生のころ、不登校だったのにも関わらず、主人公が寄り添ったおかげで、学校に通えるようになった三雲さん=大学での明朗快活な友人 河野さんだと、後々分かった時、鳥肌がたった。
この主人公は、なんの取り柄もないと自分のことを言いながら、人の心に寄り添い、主体的に動けることが強みだった。
口の悪い店長...続きを読む大竹さん、スポーツに対して真っ直な想いをもつ香山、バイト先の無口で心を閉ざしている常盤さん、ページを進めていくにつれて、この物語の登場人物全てが、「人らしく」「純粋に」いい一面にたくさん触れていくことができる。
特に口の悪い大竹さんなど周りから悪く思われる人なのにも関わらず、そんな人ともうまくやってのけ、かつ、大竹さんのいい面を捉えることができる主人公はあまりにも人たらしの「才能」「取り柄」があるといえる。大竹さんと飲みにいくのにも億劫に思わず、うまくあしらう姿は、色々な立場の人と関わらなくてはいけない社会人にとって勉強にもなる。
また、主人公は、「人」に対して、強く興味を持っており、その人の全体像を知ろうとする。人を、表面化された一面で判断しようするのではなく、その人の背景には何があるのかを考える事ができる人だ。(下記、登場人物の詳細)
個人的には、
世の中の大半の人は、あまり「人」に興味を持っておらず、「自分」に目を向けている人が多いと思う。そのため、表面的に見える部分で判断を下し、人との距離感を保っている、深入りしない人が大半だと考える。
ただ、この主人公は、人との関係構築を厭わず、「自分」に目を向けることはあまりない。
私もこの主人公にかなり近いタイプ。
どっちがいいとかはないが、主人公及び、自分の価値観(様々な人と対話をすることで、自分の価値観を広げ、客観的な視点を持つことを忘れない)を大切にしたい。
興味深かったのは、名前の話。
河野さんは、父親がつけた、父親の名前が1文字入った自分の名前を嫌っていた。
主人公(匠)は、自分の能力とは不釣り合いな(匠)という名前を嫌ってきた。
私は自分の名前を気に入っているため、自分の名前が嫌いな人もいるんだと思い、将来はよくよく考えて名付けようと感じた。
物語としては、優しい気持ちになれ、涙が溢れた。しかし、常に主人公との会話ベースでしか、登場人物の姿を知ることができなかったので、登場人物の背景描写が浅いと思った。
あと、中絶経験、父親が嫌での不登校などの詳細な描写が少なすぎて、感情移入しづらい部分があった。あと、設定はありきたり、、?かな?とも少し思ってしまった部分もある。
………………
表面 口の悪すぎる店長
背景 最初はバイトとうまくやっていこうと思い優しくしたが、離れられちゃった経験あり。オムライス屋さんを始めた経緯は、だいすきなおばあちゃんがオムライスをよく作ってくれたから。そんなおばあちゃんは認知で自分のことを忘れてしまった。
人との距離が下手だからこそ強気でいることしかできない
表面 友達が多い河野さん
背景 不登校経験あり。父親が横暴で口が悪く、そのせいで抑圧され、学校に通えなくなった。
表面 無口で真面目な心を閉ざした常盤さん
背景 高校時中絶経験あり。元々は明るくておしゃべりだが、それきっかけで罪の意識に苛まれている。
などなど、、、
以下、印象深いフレーズ
-------
●だとしたら、河野さんはどうして閉じこもっていたのだろう。そして、どうやって外に出てきたのだろう。毎日会っているのに、今さら過去の話をする機会はなくて、入学式の前に話しかけた言葉は宙に浮いたままだ。あの時、河野さんともっと話しておけば。そして、ぼくのことだって話していられたら。触れられたくないくせに、誰かに知ってほしい。そんな思いはいくつかある。ぼくにも、きっと河野さんにも。
勝手に人の心を読んで、相手をわかった気になるのはたやすい。勇気を振り絞る必要もないし、相手も自分も傷つかず恥もかかずに済む。だけど、目の前の相手に踏み込むのは難しい。
誤解もわだかまりも照れ臭さも生まずに、都合よく人の心に触れられるなんてことはないみたいだ。
● 「本当やめてくれ。もう今日だってへとへとなのに」「俺が梨木の心を読んでみるに、うん、走りたいって言ってる」「少しも言ってないから」
二人でそんなことを言い合いながら、駅へと向かう。打ち明け話にどうでもいい話。こんなことを繰り返しながら、ぼくたちは少しずつ確かなものを手に入れていくんだ。そんな当たり前のことを知ったような気がした。
● 大竹さんは鶏肉を刻みながら言った。
生まれたことに喜びを感じられるやつばかりじゃない。そんなことを言ってしまえるのは、ぼくと大竹さんの生きてきた時間の差だろうか。この世に生まれてよかったとまでは、言い切れない。だけど、生まれたことが喜びではないと感じるほどの苦しみを、ぼくはまだ味わっていない。
「消え物がいいな」大竹さんはそう言った。
● そう。人には踏み込むのに、自分の深いとこは開かずに適当な話ばっかするじゃん」
管識をしているわけではないけど、大竹さんの言うように、ぼくは誰にも家族の話や自分自身の思いを話したことがない気がする。たまたまそういう場に出くわしていないだけで、誰だってそうそう打ち明け話などしないはずだ。そう思おうとして、少しひっかかった。ぼくは人の心を読めるなんて言っているくせに、自分の心に触れられることをどこかで避けているのだろうか
● 「ぼくは人の心がわかる。人とは違う部分があるって」一人の心が読める」そんなの、共に時間を重ねれば、誰でもできることだ。完全に正しく他人をわかることは不可能だ。けれど、一緒にいれば相手が何を考えているのか、どんな気持ちでいるのか、気づけることだってある。そんなごく当たり前のことを、自分の力だとじないと進めないくらいに、ぼくは何も持っていなかった。
「普通って何がだめなの?」香山は眉をひそめた。
そう言えるのは、香山が自分だけのものを持っているからだ。人より速い走力も、それを放棄した後悔も、真剣さを捨てられない今の自分もーーー
↓店長のあしらい方うまいシーン
● 「大竹さんとやってくのしんどいですって突然辞められたんだよな」大竹さんは昨日のことのように話した。
「それで、ますます言葉も態度も悪くなったんですね」
「そうそう。ちゃんとしてても、辞められるんだから、いい人ぶってもしかたねえだろう。どんどんひどくなって、今じゃ文句言うのも嫌味言うのも癖だな癖」「それ、ぼくがいる間に直しましょう。ぼくが社会人になったら、誰もバイトに来てくれなくなって、大竹さん一人で働いていくことになりますよ」
ぼくが言うと、「お前、えらく上から目線だな」と大竹さんは舌打ちをした。
「大竹さんのためです」
Posted by ブクログ 2024年03月28日
瀬尾まいこさん作品は5冊目。
人の心が読める能力のような?守護霊と会話が出来る謎の能力のような?不思議な力を持つ主人公梨木君が、誰かのために色々な人に手を差し伸べていく。
瀬尾さんの作品には、やっぱり根のいい人しか出てこないし、人それぞれの辛さや不器用さがありつつも、心温まるお話。
おかしいな、私こ...続きを読むういう綺麗事並べただけの夢物語は苦手なはずだったのに、瀬尾まいこさんの作品だけは、受け容れられる。
残酷で不条理で泥臭くて人間臭くてエログロぐらいがちょうどいいはずの私が。
それと正反対の物語でも拒絶反応が起きないから不思議。
こんな優しさに満ちた世界で生きてみたい。
Posted by ブクログ 2024年03月12日
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梨木匠には、人の心が読める力があった。
その力で中学校時代不登校の生徒を救ったり、
友達を助けたり励ましたりと信頼を得てきた。
口の悪い店長のいるバイト先に新しく入ってきた、
常盤さんから誰かの声が発...続きを読むせられていると気付く。
何か秘密を抱えているような彼女が気になる梨木。
そしてまた、そんな梨木にもずっと悩みがあった。
人の心を読んで、寄り添い、関わり合いながら、
自分の存在価値、存在意義を見出してゆく物語。
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かなりの高評価を得ているこの作品ですが、
ごめんなさい、私にはいまいちピンと来ず。
というのも、少々ファンタジー要素が入っていて、
私がどうしてもあまり得意ではない分野だった為。
そのファンタジー要素がなくとも、主人公梨木は、
十分に魅力的なのになと思ったので、そこは残念。
実は不思議な出来事も本人が作り上げていたもの、
というようなリアリティーある展開なら良かった。
とはいえ、登場人物全員の人柄が温かくて素敵で、
梨木のお人好しさ、店長の不器用過ぎる振る舞い、
それぞれとの絶妙な関係性とその距離感の詰め方、
穏やかな優しさに溢れていて始終安心して読めた。
梨木と店長のやりとりは面白くて微笑ましい。
梨木とじゃなきゃこんな店長は絶対お断りだ。笑
誰かとの違いに胸を痛め、人と比べて頭を悩ませ、
自分にも何か特別なことが出来るのではないかと
常に模索しては自分を卑下してしまいがちだけど、
自分にしか出来ないことがある、
それはどんなに些細なことでも誰かを救っている、
かもしれない、と、思わせてくれる物語だった。
「迷いもなく声を掛けられることは特殊能力だよ」
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個人的に、この設定は、いくえみ綾作品等で
散々出尽くしているのになと思ってしまった。
塞ぎがちな女性の新人バイト、の時点で、
抱え込んでいた事情が分かってしまった。
推理小説ではないから別に良いのだけど。
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Posted by ブクログ 2024年03月08日
ほんわかとする心温まる本
困っていることを汲み取ってくれて、声をかけてくれる人がいたらどんなに救われるだろう。
こんな風に誰もが温かい心を持って、人に接する社会になって欲しい。だなんて考えすぎですね。
Posted by ブクログ 2024年03月01日
【内容】
主人公の梨木匠は芸術一家に生まれながら自分だけ平凡で普通なことがコンプレックスだったが、中3の時に人の心が読める特殊能力に気付く。
その力を発揮することで、自分の存在意義を確かめるようになった匠だが、大学生になって始めたバイト先で、心を閉ざし心が全く読めない常盤さんと出会う。
はたして彼女...続きを読むが抱えている辛い過去とは・・・
【感想】
大学生の梨木くんと、バイト先の口の悪い店長大竹さん。そしてキャンパスライフを共にする友人達との付き合いから、主人公の過去や人間関係が見えて来るという展開がスムーズで、とても読み易くて心地よい。
普通で平凡でいることに悩む梨木くん。
なんて贅沢な悩みだろうとあまり共感は出来なかったが、彼の相手の気持ちを汲もうとする姿勢は常に温かくて優しい気持ちになれた。
自分が何者か分からなくて、でも何者かになりたくて、訳もなく苛立ったり不安定になる思春期らしい悩みだなぁと感じながら、大学生になっても自分の特殊能力?を信じている梨木くんはそれだけで十分特殊だとも思う。
物語では語られなかったが、普通で平凡であることがどれ程に素晴らしいのか、彼の心の呪縛が解ける日は来るのかなぁと心配になった。いつも会える河野さんなら、きっと直ぐに解決してくれると思うが・・・
バイト先では、梨木くんと接するにつれ、店長の大竹さんが徐々に変化していく様子が微笑ましい。口の悪い人って確かにいるけど、案外心は温かかったりする。自分でそのことに気付いている場合なんて、不器用で人間くさくて憎めなかったりもする。それに気付いて一歩入り込む梨木くんの存在のように、キッカケさえあれば変わることも出来るんだと思う。
一方、常盤さんについては梨木くんの言動はちょっと行き過ぎ感が否めなかった。
よく嫌がられなかったものだ。
私なら帰り道一緒にならなくて済むよう奮闘するに違いない。笑
身近な人の心を読んで、場をスムーズにおさめる力を持つ梨木くんは、瀬尾まいこさんが作る優しくて温かい物語にはぴったりの主人公だった。
常盤さんの過去の秘密については、彼女自身が向き合う必要があった秋音ちゃんに、梨木くんが耳を傾けたことが、一歩前進するキッカケになったようで救いは感じられた。
でもこの秘められた現実があまりにも辛過ぎる上に、常盤さんの心理描写も無かったので、何だかすっきりしなかった。
唯一語られた、常盤さんが大竹店長のオムライスのお店をバイト先に選んだ理由・・・
これには目頭が熱くなった。
ただ、ラストもそのままふわっと纏まってしまったのでモヤモヤ感が残ってしまった。
河野さんや香山くんや大竹店長に対する梨木くんの能力は、特別なものではなくて、きっと誰でも持っている能力だと思う。
梨木くんのように、その力を自分で認めている人は少ないけれど、多かれ少なかれ人と関わりながら生きている中で、誰しも人の心を汲むことは自然にやっているだろう。
でも秋音ちゃんの声は??これだけは確かにエスパーと呼べるのかもしれない。
うーん、これらを全て同類として物語が進むことに違和感を感じてしまう。
これって私だけだろうか・・・
細部に拘らなければ、温かく優しい気持ちで読める素敵な作品だった。
Posted by ブクログ 2024年02月26日
瀬尾さんの書く小説は優しい人しか出てこない。
心がほんのり温かくなった。
でもやっぱり私からは棘も生える。笑
何度となく褒めらる主人公が永遠にそれを否定し続けてるとこ。
それって相手がいいと思ってくれたものを相手ごと否定することにならないか?
そこがずっと気になっていたのでした。
Posted by ブクログ 2024年02月09日
人の心が読めると思っている梨木さんが口も態度も悪い店長のせいでアルバイトが3日もたないけど、オムライスはおいしいお店のアルバイトをする。最長記録を更新する中、梨木さんが心を読めないアルバイトが入ってきて、苦戦する。
個人的に面白かったのは、知らない同級生を励まして、立ち直らせたあとに「ところで君、...続きを読む誰?」ってなるところ。そのあと、勝手にマラソン大会申し込まれて、マラソンに熱が入るのも面白かった。
Posted by ブクログ 2024年02月12日
思ったのとは少し違うストーリーだったので物足りない感が残ってしまった。
面白いのはそれなりだったけど、いつもの爽やかな青春モノとは異なる筋立ての作品でしたので。
すべてにおいて没個性で平凡な自分を自覚している大学生の梨木くんだが唯一他人より秀でたものかも知れないと思える、他人の気持ちが読めるような...続きを読む気がすることで、皆からもそう囃される。
そんな彼が意地で働いてやっている、偏屈な主人の居る小さな食堂のバイト先に心を決して開かない変わり者の2歳年上の女性バイトが入ってくる。
必要最低限の会話しか交わさない謎めいた彼女との関わりが話のキモになってます。
はたして彼女の抱えてる荷物って何なのでしょうか⁉︎