あらすじ
ラーメン・そばなどと中華麺の不思議な関係!「担担麺」や「天津麺」は中国にはないのか? 醤油ラーメンや、味噌ラーメン、豚骨ラーメンなど日本ラーメンはどこから来たのか? 日本の麺の源流を探って二十余年、中国全土の麺をくまなく食べ歩いた男の出した大胆な結論――すべてのラーメンのルーツは、山東省にあった! ここから大陸全土に通じる拉麺之路(ラーメンロード)を旅し、西の果てパキスタン国境沿いのクンジュラブ峠で食べた未来のラーメン「汁入りラグメン」や、日本の「もりそば」そっくりの麺、うどんの中国逆輸出バージョンの「烏冬(ウードン)麺」まで、千種類以上の中華麺を食した著者が日本の麺の昨日・今日・明日を語る。巻末には著者一押しの中国主要都市麺館案内。
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Posted by ブクログ
中国のラーメンについて知りたくて読書。
著者の熱意と行動力に脱帽。中国滞在歴も長い。残念なのは、戦後の引揚者が日本でラーメンを広めたという引き上げ元の大連や旧満州へもっと早い段階で来て調査して欲しかった。
2006年に訪れた大連のローカルラーメン屋を紹介しているが、大連や瀋陽は、歴史的に日本との関係が深い場所なので、戦後に日本のラーメンが逆上陸したものではないかと思うことがある。烏冬面のように。
それにしても、日本で本格的にラーメンが誕生して普及するまで70年ぐらいで、とてつもなく進化したが、どうして、発祥国であるはずの中国ではラーメンや麺類が発達しないのだろうか。現状でもお世辞にも美味しいとは言えない。そもそも、大連だとローカルラーメンは貧乏人が食べるもので、自家用車を持っているような富裕層はラーメンを食べないような印象がある。
もしこの仮説が正しいとすれば、日本から進出してきたラーメン店で苦戦している店があることも納得できる。ラーメン=貧乏人の食べ物というイメージが足かせになっているのかもしれない。味の蔵ラーメンや味千ラーメンなど地元の人にも食べられて成功している店もあれば、8番ラーメンや王将など撤退や苦戦している店もある。
確かに最後のエピローグで書かれている通り、日本でもトウモロコシや豆類、米を原料とした麺が登場してもいいと思う。米を有効活用して麺やパンを作ることは食料輸入率が高い日本には重要であり、研究して進化させれば、将来的に、海外へ輸出できる魅力的な商品へ成長するかもしれない。
読書時間:約1時間5分
本書は在大連領事事務所でお借りしています。有り難うございます。