あらすじ
専門知識や深い経験はいらない。手持ちの知識や技術で、いかに論理と主張を組み立てるか。それが「常識力で書く小論文」だ。とはいえ、常識どおりに書けばいい、というのではない。常識から出発し、観察力、比較力、疑う力をフル稼働させる工夫が必要なのだ。本書は、説得力ある小論文、短文を書くための思考プロセスから、制限時間と字数の対処法まで実践例を紹介。まず著者は、「常識力とは観察力だ」と唱える。そのための「歴史感覚」や「常識プラス非常識の視点」を解説。さらに、「書く前に何を考えるか」では、「中心は一つ」「対立点を見出す」「実例をあげる」などの思考術を指南。その上で、いざ実践である。「同じ内容を100字でも1000字でも書ける」「主張や結論は一行でもいい」「私事は避ける」等々。「野生の思考」を磨くことが小論文必勝のカギである、と著者はいう。企画書、報告書など、ビジネスにも応用できる「大人のための文章作法」。
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Posted by ブクログ
いいね、これ。くだらない文章作成マニュアルと違って、読み物として面白いし実用的だ。知識量の少ないやつがいかにしてレポートを書くかという俗っぽさと、(レヴィ・ストロースの言うところの)「野生の思考」で書こう、というテーマも良い。ちょっとした構造主義の読み物でもあるところが良い。
Posted by ブクログ
すらすらと書かれている文章は読みやすいし、内容もあれやこれやと詳細にわたり小論文について書かれている。だが読み終わって何も残らない、結局小論文を書くことについて1ミリも前進なし、新しい切り口があるわけでもなく、感銘をうける方法があるわけでもなく暇つぶしにもならない。残念。
Posted by ブクログ
常識力で小論文を仕上げる。
ここで言う常識とは世論多数派の意見というわけでなく、コモンセンスであり日本人として共通に感じる感覚だ。
例えば、原発是非の問題があったとする。
原子力発電所はメルトダウンの可能性があり危険だから非とするのは、常識力ではない。原子力発電所は実在する。
これは、石油依存社会の持続困難性の問題、その発電高効率性から不可欠。地球温暖化防止にも有効であるというのが常識力。
常識力は、冷徹な現実主義。これは観察力と歴史感覚から身につける。
小論文ではオリジナリティが求められるが、突飛な意見は必要ない。しばしば自分の体験と絡ませるとよいと書かれている書籍があるが、本書では実例は挙げても「私事は避ける」とばっさり。
現実主義に徹し、論理と主張を組み立てよ。
ただし、本書は小論文を書くために手元においておく参考書の類ではない。
小論文を書く術を積み上げるため読むためのものである。