あらすじ
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ある地域で、同じ国のほかの住民にはほとんど理解できない言語が話されているのはなぜか。まったく関係のなさそうな遠い場所で、同じ言語が話されているのはなぜか。なぜ、どうやって言語は変化するのか――。
いくつもの言語に囲まれる環境で育ち、国境や政治地理の研究をライフワークとしてきたユーゴスラビア(現セルビア)生まれの著者が、世界中からあまり知られていない100以上の言語を集め、「それらが使われている地域の歴史」「話者が置かれている現在の状況」「言語がたどってきた変遷」を紹介する。地図と写真と文章でわかりやすく、リファレンスガイドとして誰もが楽しめる一冊。
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Posted by ブクログ
世界にはおよそ7,000の言語があると推定される。
その中で、世界6大陸、100言語の希少言語についての
成り立ちや歴史、民族や現状を解説している。
言語島とは・・・まるで海に囲まれた孤島のように、
多くの人々が使う言語に囲まれた、孤立している言語。
孤立した言語・・・バスク語、アイヌ語、タヤップ語、ズニ語など。
インド・ヨーロッパ語族の言語島・・・ソルブ語、ヤグノブ語など。
世界各地の言語島・・・ハワイ語、八丈語、ヒナルク語など。
用語集
著者は言語学者ではないけれど、よく調べ上げています。
それらはまるで、言語の絶滅危惧種。
遥か昔に消滅した言語の流れをくむ言語や、
系統関係のある言語が見つからない希少性があるものも存在。
孤立した地域、圧力や弾圧によって移り住んだ場所。
様々な歴史と人々の変遷の中で、
守り継がれ、受け継がれている言語があれば、
行政で公用語の一つになったり、学校の授業で使われたりと
守られている言語もある。消滅した言語復活の運動もある。
反面、周辺の言語の影響を受けての変化の中での、
消滅の危機のある言語の姿も。
バウンティ号の反乱が新しい言語の誕生に繋がった事、
八丈島や青ヶ島、大東諸島で話される八丈語は、
上代東国方言を今に伝える最後の言語である事、
北センチネル島の言語は現代になっても不明な事、
ニュージーランドでたまたま立ち寄ったプホイ村が
(美味しいチーズ工場がある)ドイツの珍しい言語を
受け継いだ場所だった事など、興味深い話も多く、
言語に関心を与えてくれる面白い内容でした。