【感想・ネタバレ】韓国 超ネット社会の闇(新潮新書)のレビュー

あらすじ

新大統領・尹錫悦がネットで犯した致命的なミス、日本の政治家もマネしたくなる30代政権党トップのSNS術、PSY、BTS、『イカゲーム』を生み出したコンテンツ力、反日不買の震源地となるなど世論を動かす「オンライン・コミュニティ」の実態、鬼畜化するデジタル性犯罪……。朴正煕、金泳三の両大統領によって蒔かれたIT大国の種がいかに萌芽したのか。その光と陰を余すところなく映し出す。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

韓国に行くため、韓国の世相が知りたくて読んだ。
世界最高水準のスマホ普及率と、5G網が張り巡らされたネット社会だとは聞いていたが、ネットを取り巻く環境で日本とどのような違いがあるのかな? と、気になっていた。

感想は、なんだ日本と同じじゃん、だった。
ネットを使った性犯罪や麻薬取引、芸能人などへの誹謗中傷など、国は違えどやることは同じ。(そういえばネットいじめの話題は本書にはなかったけど、韓国は不登校の子供が少ないと聞いたが何か関係はあるのかな?)

ただ、政治への関心は韓国の方が高いから、特に大統領選へのネット利用は日本の選挙とは比べ物にならないと感じた。
本書に、ノードVPNといいう企業が、世界各国のネットユーザーにに行った調査によると、韓国人が一生涯にネットに割く時間は34年間にのぼるという。アジアで最も長い。米国21年、日本11年だから、遥かに長い。
このデータの信頼性はどれほどのことかわからないが、ネットが人々の生活に必要不可欠なのは確かだ。


以下印象に残ったこと。
政治では、大統領選挙では候補のファンサイトみたいなのができる、対立候補の誹謗中傷などもネットでどんどん暴露、拡散されるなどなど。
日本では最近、都知事選で石丸さんがネットをうまく使って選挙をした!なんて騒がれたけど、韓国はとっくにもうネットが選挙の主戦場だったわけだ。
ただ悲しいかな、尹大統領は選挙中に夫人のゴシップや失言が拡散されたり、政策も拡散されるのは早い代わりに、失策も拡散されるのが早い … なんてことが起きている。

既存のメディアへの不信感があって、政治系YouTubeへの信頼が厚いそう。「テレビでは政権の批判しかしない」など感じる国民は、政権寄りのYouTubeを見るみたいに。


他にもオンラインコミュニティの力が大きいのも特徴で、文政権だった時の慰安婦、竹島、徴用工などの問題が浮上した時に、反日機運が盛り上がった。「ユニクロ不買運動」なんかもオンラインコミュニティで火がついた。

また、ネットを介した性犯罪、麻薬蔓延も(日本も同様だろうけど)多く、社会問題となっている。
芸能人やスポーツ選手の告発などで、自殺や活動休止に追い込まれるのも、日本と同じだ。

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2024年08月10日

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