あらすじ
したたか、しなやか、しながわ
人の心にも、闇と海。――柳家喬太郎
客はつかの間の夢に金を払うんだ。女郎の本音なんざ知りたくもなかろうさ
元最上位の遊女・お染。寄る年波には勝てず、馴染みの客たちも離れてしまい、いまや衣を新調するための金にも困るようなありさま。元来の勝気な性格もあって、ひと思いに死んでしまおうかと思うが、金に困ってひとり死んだと言われることはあまりにりも悔しく、ならは、心中をしようと考える。独り身で大食らい、ぬけている金蔵を相手に選び、手練手管で、ついに心中の約束を取りつけるのだが――
現在の高座では、お染が金蔵を川に突き落とす場面、金蔵が助かって世話をしてもらっていた親方の元に幽霊のように姿で現れる「上」までしかかからないことが多いが、本作では金蔵が親方たちの力を借りてお染に仕返しをする「下」までをお染を中心にした物語に再構成した意欲作。
妓楼に生きる女の矜持と哀しみ、「小説 古典落語」シリーズ完結!
松浦シオリ・装画
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
落語の『品川心中』の小説化。
元々の話を知らないことを後悔。
品川の遊郭で板頭をしていたお染はいつの間にか客が減っていて、新しい着物や布団をあつらえる金がない。
でも、一度は板頭になったプライドがあるお染は店から金を借りることなどできない。
いっそのこと死んでしまおうかとも思うが、金がなくて死んだと思われるのも業腹で心中して果てようと考える。
相手は親類縁者もいない金蔵という男。
さて、この心中は上手くいくのかどうか……。
原作を読んでみたいです。遊女たちの切なさや悲しさをどう語られてきたのか知りたいなぁと思いましたよ。
お染姐さんはなかなかにいい性格で私は大好きです♪