あらすじ
もしあなたが、ひりひりするような気持ちで孤独を感じたり、友だちを求めているとしたなら、それはあなたが若いということ。それが若さなのよ──。
「親友って、どうやったらつくれるの?」わたしの問いに、伯母さんは「すこしずつの親友なら、すぐにでも出会えるわよ」と答え、これまでの旅の話を始めます。旅の間ずっとまとわりついてきたネパールの少年、オーストラリアのウルル(エアーズロック)を訪ねたときの無愛想なガイド、インドで一緒に列車を待った寂しげな母娘、ロンドンで掏摸の少女たちから助けてくれたちょっとかっこわるかった男の人……。ほんの短い時間を過ごしただけなのに、なぜか心から離れない人たちのおもかげ。そんな「すこしずつの親友」との出会いが、いつかほんとうの親友へと繋がっていくのかもしれない……。
俳句に打ちこむ中学生たちを描いた『わたしと空と五・七・五』でちゅうでん児童文学賞を受賞。突発性難聴をわずらった少女の新たな一歩を追った『蝶の羽ばたき、その先へ』で日本児童文芸家協会賞、および日本児童文学者協会・長編児童文学新人賞を受賞。いま注目の児童文学作家が、友情をテーマに贈る最新作。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
「親友って、どうやったらつくれるの」
「親友は、たぶんつくるものじゃなくて、出会うのよ」
わたしの問いに伯母さんはそう言った。
いますぐ親友が欲しいわたしに伯母さんは笑って言った。
「すこしずつの親友になら、すぐにでも出会えるわよ」
それはなぜか旅先で出会うことが多い、本当はどこにいても会えるのだけど。
そう言って、ネパールで出会ったすこしずつの親友の少年の話をしてくれた。
始めの話からもう、心にじわっとくるお話でした。すこしずつの親友ってどんなものかというのが、一つ一つは短い旅先での話を聴く(読む)ごとに、ああこういうことかと腑に落ちてきました。「聴く」と書きたくなるくらい、読んでいる自分自身も伯母さんと姪のお泊まり会に参加させてもらっているような気持ちになりました。
「親友」や友達関係について悩んだり考えたりするのは、小中高生くらいがピークかなと思うので、その頃の子ども達のそばにこういう本があるといいなと思いました。
難しく考えなくても、出会うときには出会うものだし、すこしずつの親友ならきっともう出会ってるんじゃない?って寄り添ってくれるような本。
Posted by ブクログ
伯母さんの感性が素敵だなと思った。
こんな伯母さんがいたら、たくさん話が聴きたくなりそう。
ゴッホとゴーギャンの関係性も初めて知った。
私自身は親友と呼べる人がいるかいないか、そもそも親友の定義も正直わからずにいる。
でも、一瞬でも同じ時を過ごし、思いが通じ合うことができたのかなと感じる人は何人も思い当たる。
これからも、人生のどこかでそんな人たちに出会えたらいいなと思う。
Posted by ブクログ
オーストラリアのエアーズロックを現地の先住民は「ウルル」と呼ぶこと、慣れない所に出かけると、乗り場を間違え慌てていると知らない人の足にスーツケースの角が当たり気まずい空気が漂う事もあるが、申し訳なさそうに謝ると解ってもらえる事、銃を肩から下げた男を見かけたら旅の予定を変えてでも命を守る事などが書かれてました。
Posted by ブクログ
すこしずつの親友もいう考え方が
とてもすてき。
こんな大人が周りにいたら、
どれだけホッとするだろう。
伯母と姪という、
あの優しい関係は
親子では出せないんだろうなあ。