【感想・ネタバレ】わたしからはじまる ~悲しみを物語るということ~のレビュー

あらすじ

わたしからはじまる魂の再生の物語。

読みながらいっしょに沈んでいく。
壊れそうになる。
最後に、極微の勁(つよ)い光に射ぬかれる。
――鷲田清一さん(哲学者)

繊細な、こわれものとしての「悲しみ」を、
粗略に扱わない社会のために、
静かに読まれるべき一冊
――平野啓一郎さん(小説家)

上智大学グリーフケア研究所非常勤講師として、
悲しみにある人々に寄り添う活動を続けている
著者の入江杏さんは、2000年に起きた
「世田谷事件」の被害者遺族です。

隣に住む、愛する妹家族を失った悲しみは、
6年もの間、語られることはありませんでした。
語りにひらかれたきっかけについて、まえがきにこうあります。

心ない報道、周囲からの偏見と差別、沈黙を強いる母への抵抗……
わたしは語りへと突き動かされ、無我夢中で心の断片を拾い集めました。
そのかけらから恥を洗い流してみると、そこには透き通った悲しみが顕れました。
――まえがきより

“被害者遺族はこうあるべき”といった世の中の「大きな物語」に抗い、
「わたしの物語」を取り戻し、魂の再生へと向かう軌跡の書です。

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Posted by ブクログ

悲しみとは愛しみでもある。
悲しみは、愛の形のひとつ。

悲しみを恐れず、
悲しみに寄り添うこと。

人の感情は単純ではない。
無理に分解したり、記号を貼り付けたりせずに、
複雑な感情の束として、そのまま受け止める。

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2022年09月25日

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