あらすじ
この壁から転がり落ちてしまったら、私は熊とまちがえられて、猟友会に撃たれてしまうのではないだろうか!つるつる滑るその壁に、瀕死のクライマーのようにザイル一本でぶら下がり、食に遍路にそして恋にと、苦闘を続ける著者のドタバタな日常をユーモアとペーソスで綴ったエッセイ集。小社ホームページ内Webマガジン(無料)連載作品。
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Posted by ブクログ
夫の居る身でありながら恋人をこさえ、
恋人の悩みを夫に相談し、夫は親身にアドバイスする。
そんな夫婦がどこにいますかね?
あぁ…ここにいたみたいですね。
有り得ない、と思えるほどぶっ飛んだ話ばかりだけど、
どれもが変に真っ直ぐで、いっそ清々しいほどの爽快感があり私は好きです。
エッセイで好んで読むのは彼女のだけ。
だって当時中学生だった私は初めて著者のエッセイを読み、
重要なことに気付いちゃったんです。
例え相手のことを忘れてしまっても、
あのとき口にした言葉たちはちゃんと本心。
確かに大好きだったと。
うまく行かずに終わる恋もありますが。
あ、恋だから終わるのかしら。
有り得ない、けど、有り得なくもない。
年を重ねていくと、倫理観念の枠にはうまく納められない事象はあると、
漠然ながらも分かる瞬間があるんです。
考えて導き出す答えじゃなくて、
ふっと湧いてくるというか、切れたものが繋がるというか、
閃くというか、腑に落ちるというか、そんなような気付き方で。
彼女は好きになった男たちに決して嘘はつかない。
哀しいぐらい素直で、それが魅力なんだろうな。