【感想・ネタバレ】ツナグ 想い人の心得(新潮文庫)のレビュー

あらすじ

僕が使者(ツナグ)だと打ち明けようか――。死者との面会を叶える役目を祖母から受け継いで七年目。渋谷歩美は会社員として働きながら、使者の務めも続けていた。「代理」で頼みに来た若手俳優、歴史の資料でしか接したことのない相手を指名する元教員、亡くした娘を思う二人の母親。切実な思いを抱える依頼人に応える歩美だったが、初めての迷いが訪れて……。心揺さぶるベストセラー、待望の続編!(解説・深木章子)

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Posted by ブクログ

ネタバレ

 前作に引き続き、とても感動した作品だった。続きということもあり、物語のつながりを感じながら読むことができて、とても面白かった。

 特に印象に残ったのは、「一人娘の心得」と「歴史研究の心得」の章。それぞれの人物の想いや選択が丁寧に描かれており、1巻目とまた違う面白さがあって、印象に残った。また、主人公・歩美の成長にも感動し、さらに新しく登場した杏奈もすごく好きになった。はっきりとした性格で、自分の軸を持っているところが魅力的だと思う。

 そして、この作品を通して新たな気づきもあった。それは、「必ずしも死者と再会しなくてもよいのではないか」という考え方である。

「死者に会うことは、誰かの死を消費することと同義の、生きている人間の欺瞞なのではないか」

この言葉から、死者との再会は必ずしも前向きなものではなく、生きている側の都合や欲求によるものでもあるのではないかと感じた。
ただ、

「見たことのない神様やお天道様を信じるよりも切実に、具体的な誰かに、見ていてほしいと願う」

という言葉から、人は誰かに見守られていると感じることで、自分の行動を正そうとしたり、前を向こうとしたりするのだと気づかされた。

 このように、死者とのつながりは単なる再会ではなく、生きている人の在り方や行動にも影響を与えるものなのだと感じた。

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2026年04月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

前作での主人公が「使者」を引き継いでから7年たったお話しでした。

私は前作よりこの「想い人の心得」の方が好きでした。

特に「一人娘の心得」が良かった!
当たり前のことだけれど、死んだ人の心を知ることはできない。けれども色々考えて
『多分、こう言いたかったのだろう』
と、結論付け、前向きに後悔のない生き方を選んでいく姿が晴れやかでした。
「ツナグ」を使わなくても心の整理をつけて進んでいく人が登場する…。それもまた、良し。

『直接聞くことがすべてではないのだ。』文中引用

そして最後の「想い人の心得」も良かった!
断られても断られても面会を希望する依頼人の心を知った時涙しながら読みました。

「ツナグ」は今まで読んできた辻村さんの話しとテイストが違いました。
改めて辻村深月さんってすごい!

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2026年01月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

・プロポーズの心得
俳優の紙谷ゆずるは想いを寄せる一人の女性がいる。その人は高校時代に親友が亡くなった悲しみを引きずっているという。その女性と亡き友人を引き合わせたいと、使者と連絡を取る。面会の日、眼の前に現れたのは小学生位の少女であった。

・歴史研究の心得
今回の依頼は少し変わっていた。郷土史を研究してきた教師が、歴史上の人物と面会したいというのだ。

・母の心得
二組の依頼が来る。一方は目を離したスキに事故で娘を亡くした夫婦。もう一方は若くして病で亡くした娘に会いたいと願う老婦人。満月の日が最も面会時間が長くなるため二組はそれぞれの想いを抱えながら同じ日に娘との面会をすることとなる。

・一人娘の心得
使者として活動する渋谷歩美はおもちゃの製造販売をする会社で働いている。歩美はその過程で亡き父とも付き合いのあった鶏野工房の大将とその家族と親しくなる。歩美の企画した木製玩具が完成した直後に工房主・鶏野が亡くなってしまう。工房主の一人娘・奈緒は悲しみに暮れており、使者として工房主との面会ができることを説明すべきか思い悩む。

・想い人の心得
桜の季節に馴染みの人から依頼が来る。料亭の主の男は祖母の代から何度も同じ人と面会を希望して依頼してくるが、毎度断られていた。面会相手は料亭での修行時代の店主の娘であった。憧れの人であり、幸せな人生を望んだものの、若くして亡くなってしまったのだった。

今回はバリエーションに富んでいた。歴史上の人物に面会を希望したら?依頼人が何度も断ってきたらなんども会えるのか?実際に会わずとも故人の意思は伝わるのではないか。使者のルールがストーリーにうまく組み込まれていて良かった。
個人的に好きだったのは想い人の心得だった。私がいなくとも皆幸せに過ごしたのねと言う死者に対して、依頼人が今の幸せが無くなろうともあなたに生きて欲しかったと語る部分が好きだった。どんな人にもこのように言ってくれる人が一人ぐらいはいるのだろう。自殺を考える人に届くと良いと感じた。

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2025年11月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

はーあ。母娘の話で泣いちゃった。
ずっとドイツ語で会話したかった。
でもそれより、生きててほしかった。
でブワーー

ツナグ①で出てきた美砂(私はもう完全に橋本愛でしか再生されない)が再び、、?!と思ったけど、かすっただけだった。
使者が少女に代替わりしたと思ったら、親戚の子だった。そんな1話。

歩美、恋に落ちるの巻。
2人が結ばれたら、工房のおじさんは喜ぶだろうねえ

「あの人だったら何て言うだろう」って歩美が言ってたけど、それ、私もすぐ心の中で唱える。
一緒に過ごした時間よりいなくなってしまってからの方が長くなってしまったけど、それでも尊敬していた祖父、今でも生きていたら、
私がこう思ったら、そう行動したら、何ていうだろう?って考える。この報告をしたら喜んでくれるだろうか、って考えて頑張れたりする。

最後の最後にこの文章が出てきたものだから、私と同じだーーとなり、またおじいちゃんのことを思い出して眠ったのでした。

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2026年03月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

前作とは違うアプローチの仕方で描かれており、面白かったです。
ただ、前作ではほのかに漂っていた「死者と会えるかは巡り合わせ」という理念が前面に出過ぎていた感じがして、個人的にはちょっと残念。

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2026年01月10日

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