【感想・ネタバレ】異論正論(新潮新書)のレビュー

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Posted by ブクログ

2021年2月~2022年2月のデイリー新潮に掲載された論考集。
菅政権から岸田政権の時期で、コロナ禍で顕在化した問題などについて考えを述べたもの。

安全保障や国防論、外交、税制など、支持できかねる発言もする石破さんだが正直者だ。
世間の雰囲気に迎合せず、「それはおかしいのでは」と言えるのも石破さんだ。
疑問に感じたことは、きちんと事実を調べて自分なりの意見を述べている。

今まで政府が放置・先送りしてきた一番の問題は、少子高齢化の対策だろう。
ちょっと調べてみたら、出生数が100万人を切ったのが2016年で、2022年は77万人にまで減っている。
2023年は半期で37万人らしい。
コロナのせいにする人もいるが、コロナ前後で減少傾向は変わっていない。

これは、若い世代の労働人口が激減していくということだ。
農業、介護、運送、インフラ維持、などの人手不足が特に心配になる。

石破さんは地方創生が出生率の低下抑止に繋がると力説している。
大都市への一極集中がいいという人もいる。
今まできちんと議論してきていない課題が山積みのようだ。

国民が見ている場で、オープンな議論をしようと言っている。
議論をするには、一定程度、知識の基盤を共有できている必要がある。

石破さんの発言は常に国民に向けて丁寧に説明することを心掛けているように感じる。
共感できなくても考えていることは納得できる。
他国の歴史、特に近代史からの成功・失敗例もよく勉強しているようだ。

私にとって石破茂さんは、信頼できる政治家の一人だ。
どんな話題を振られても、自分の言葉で語ることの出来る石破茂は尊敬に値する。

小泉政権が良かったとは思わないが、小泉以降は「悪夢の〇〇政権」の繰り返しのように感じている。
石破さんを総理にして、嘘やその場しのぎの楽観論に逃げないまともな政治になることを望んでいる。
今の日本の政治には、多くの人が身に付けてしまった政治不信を取り除くことが求められている。

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2023年09月04日

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