あらすじ
三十年間犯罪捜査ひと筋、「足を使え」が口癖のゴリゴリ昭和気質の刑事・成瀬司は、世が令和になってもかまわず「刑事の勘」を頼りに法律スレスレの捜査を行い、コンプライアンスを無視した行動を続けた結果、パワハラの告発を受け捜査の最前線から、これまで存在すら知らなかった広報課警察音楽隊への異動を命ぜられる。
社会のため組織のため家族のためと一心不乱に働いてきたのに、気づけば組織からは時代遅れとはみ出してしまい、家族はバラバラ。異動先にも当然なじめず、人間関係にも、音楽隊の演奏にも、不協和音が鳴り響いてーー。
ロングヒットを記録した映画「ミッドナイトスワン」の内田英治監督が、ミドルエイジの葛藤、生き様、そして音楽が繋ぐ絆を描く爽快なヒューマンドラマ。
内田英治監督最新作・映画『異動辞令は音楽隊!』、2022年8月全国公開予定。
感情タグBEST3
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阿部寛さんのファンの私は早速映画を見に行った。いい曲がたくさん演奏されていて、良かった!
あまりの暴逆ぶりに刑事部から音楽隊に異動を命じられた成瀬。家族もバラバラ、移動先にもなじめず、八方塞がりだったが、徐々にドラムに取り組むようになり、ある日の春子とのセッションから音楽の楽しさに目覚める。映画ではあれよあれよという間にドラムが上手くなってしまったが、本ではその努力の様子がよく書かれていて、良かった。
初めての演奏で上手くできず、落ち込んでいた成瀬に「演奏はまだまだだけど、〜あなたのドラムからは勇気をもらえる」と励ましてくれたハツさん。成瀬が詐欺事件の犯人を強く主張していたが、却下されて音楽隊に左遷されてしまったが、それをちゃんと捜査していれば、ハツさんも殺されずに済んだかと思うと悔しくてならない。
警察バッジを置き忘れて警察官として失格だと落ち込む成瀬に、春子が「私達はチームです。誰かが音をミスってもまわりがカバーすればいいんです」と微笑む。このあたりから成瀬は変わってきたように思う。自分の悪かった点を素直に謝れるようになる。こう変われるのは凄い!そして、音楽隊が変わる原動力になっていく。
ハツさんの言葉で生き返った成瀬。そして音楽のおかげで変わることができた成瀬。言葉って、改めて凄い力があるのだと思った。私も言葉をさらに大事にしていこうと思った!映画も本をおすすめです!
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感想
面白かった!仕事にすべてを捧げてきた男がそこからどのようにして気持ちを切り替えて立ち直ったのか、仕事とどのように向き合うのか考えさせられた。
映画も見てみたいな
あらすじ
成瀬は刑事人生30年、犯人逮捕に全てを捧げてきた。アポ電強盗事件を解決すべく行き過ぎた捜査を行い、内部告発により、音楽隊への異動を言い渡される。
警察に音楽隊など必要なのか?演奏会の失敗や隊員との衝突、家族との歩み寄りなどを経て、音楽と向き合う決意をした成瀬は、緩んだ音楽隊を変えていく。
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映画ではわからない成瀬の心のうちを少しだけ知ることができる。ただ、個人的にはもっと心情描写が多い方が嬉しかった。春子とのセッションが成瀬にとって大きな転換点になったことは映画だけではわからないと思う。でもどちらも好き。
Posted by ブクログ
警察音楽隊についてはほとんど知らなかったけれど、これを機に一度演奏を見に行ってみたいと
思いました。
私自身も吹奏楽部に所属していたこともあり
「この曲演奏したなぁ。」「この曲いいよね。」
などと思いながら読み進めていきました。
ヒヤヒヤする場面もありましたが、
何かに一生懸命になる姿は
何歳になってもかっこいいもんなのだなぁと
思いました。
Posted by ブクログ
映画の原作というか、監督自身が執筆したもの。
読み始める前から、ハッピーエンドが予測されるので、主人公の葛藤に思いが沈まず気軽に読めた。
元々映画化するために書かれた?作品なので、視覚化しやすい文章。
主人公がもし
ドラムが娘と彼女の仲間から驚かれるほどの腕前まで上達しなかったら
失踪した母親を見つけてくれたのが、音楽隊員でなかったら
違法?逮捕劇がSNSでバズらなかったら
ところどころご都合主義的なものもあるけど
エンタメだからと読めればとても楽しい小説。
Posted by ブクログ
昭和の刑事、成瀬は捜査一課から音楽隊へ異動させられる。
家族とは離婚、組織からも外された刑事が音楽を通じて自らを変えていく。
読みやすくわかりやすいストーリーだった。
Posted by ブクログ
自分も楽器をやっていた経験があるので楽しく読めた。
確かに有事の際には必要ないものとして切り捨てられてしまいがちな音楽。でも何かと何かを繋いだり成瀬を変えたように人生の転機となったり、その力は計り知れないよねということを再確認。
警察音楽隊についてほとんど無知だったので、ざっくりとだけど知ることができたのも良かった。
思わず自分の住んでいるところの音楽隊について調べちゃった。いつか生で演奏を聴いてみたいな。
世界のお巡りさんコンサートも素敵!
Posted by ブクログ
刑事一筋30年の刑事・成瀬 司。
他の刑事とぶつかる事も多く、時代遅れの問題刑事であった。
そんな彼に下された辞令は、音楽隊。
一生懸命働いて、気づけば組織からはみ出し、家族はバラバラ。
果たして、彼は音楽隊でやっていけるのか?
最後はハッピーエンドで良かったです。
Posted by ブクログ
ありがちな話ではあるが、ドキドキする展開もあり、涙が出そうになる展開もあり、で面白かった。音楽が絡むこともあり、映画で観るとより楽しめそうだなぁと思った。
音楽をやっている身からすると、音楽は必要かそうでないかというのはかなり身近な話題で、そこがよく表されていて良かった。
Posted by ブクログ
面白かった。
どれも知ってる曲だったから、タイトルが出ると曲が浮かんで、それも楽しかった。
楽器に、音楽に夢中になっていく成瀬さんの感情がすごくわかる。
誰かと合わせるって、すごいんだよね。
あの瞬間があるから音楽っていい。
なんか、色々思い出して また楽器したいなって思ってしまった。
楽器になんて全く縁がなかったのに、何があるかわからないのが人生。
まだ出会っていない、夢中になれるものがあるかも知れない。人生を変えるほどの。
Posted by ブクログ
熱意と世の中が噛み合わなくなり、苛立ちや自分も気付いていない焦りで暴走していた主人公の成瀬が、音楽を通して自分を取り戻していく話だった。
今まで警察に音楽隊があるということをぼんやりとは知っていたが自衛隊の方とごっちゃになっていたし、ただでさえハードな警察の通常業務と音楽隊を兼ねている隊が多いとは知らなかった。
また別作品になるが、元警察官が描いている漫画の「ハコヅメ」では、寝る時間や入浴さえもままならないくらいに警察官の仕事がハードに描かれていたので、音楽隊まで兼ねている隊員の体力はどうなっているんだろうと驚いた。
並の体力精神力ではとてもこなせそうにない。
それでも続けているのは、やはり音楽が生きる力になっているんだろうと思う。
そんな音楽と切っても切れない隊員たちと、やる気のない成瀬が互いに影響を受け合って、音楽家としても警察官としても成長していく姿が清々しく、正にエンターテイメントだった。
ただ前半を読んでいる時に、成瀬がもっともっと自分は刑事なのか音楽家なのか葛藤し、最後まで揺れ動いて悩み続け、そのどちらを選ぶのかがテーマだと予想していたので、予想よりあっさりと選んでいたように思えた。
映像作品としては充分葛藤を表現していたのだろうが、小説としてはもう少し彼の内面を見たかったように思う。
Posted by ブクログ
楽器の経験のまったくない職場の友人が最近音楽隊に異動になり、タイトルを見て思わず手に取りました。私の友人のケースとは似ても似つかぬ設定でしたが、主人公の青天の霹靂な状況など、お話として素直に楽しめました。
映画はまだ観ていませんが、小説もそうだったように、映画でも、気軽に楽しめる軽快な作品でしょう!
Posted by ブクログ
内田さんという人、映画の方の脚本&監督でもあるんですね。そして、これまでの作品は全裸監督、ミッドナイトスワン。読んでいて、映画が観たくなりました。ミッドナイトスワンも読みたいけど、あっちはせつなそうなんですよね。。