あらすじ
■哲学や論理学の知識及び読解力を高め、社会で通用する一流の思考法
「批判ばかりせず、対案を出してくれ」
「自分で選んだ道だろう? 自己責任だ」
「ウチの会社に不満があるなら、辞めればいい!」
そんな相手の低レベルな放言で思考停止したことはないだろうか?
あるいはそれで論破したつもりになっていないだろうか?
■こうした怪しげなコトバに惑わされて悩む読者、論理をうまく操れない人、
知識が不足している人、直観力に優れない人は、人生でいろいろな失敗をしてしまう。
他人とすぐに対立したり、上司の理不尽な指示にイライラしたり、
行きたくもない会社の飲み会を断れず、ストレスをため込んでしまう。
本書では、世にはびこる論理と非論理、
その裏側を詳らかにすることで、以下について解説する。
・誰が相手でも必ず勝てる議論のテクニック
・相手の論理破綻や詭弁を見破る、あるいはそれを使うテクニック
・どんな理不尽なことも笑って受け流せるセンスと精神的余裕
・相手をコントロール下に置くため権力の手に入れる方法…etc.
■目次
まえがき 物事を正しく考えるための処方箋
・Ⅰ なぜ、あなたの主張は通じないのか?
・Ⅱ 悪の論法の見破り方と使い方
・Ⅲ パワーゲームと論理、そして非論理
付録 悪の名言辞典
答え合わせ なぜ人を殺してはいけないのか?
あとがき 思想で遊んで楽しく生きる
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
世の中に蔓延る、詭弁について記載されているだけかと思いきや、後半部分では思考についても説明されている。
前半部分は、主に論理学要素が強く、普段の生活やビジネスシーンにおける議論の際に頻出するような木弁や悪の論理について批判されている。
後半部分では、如何に人間の思考が常識やルール、道徳に縛られているかについてを語っており、私はこちらの部分に感銘を受けた。
確かに1人行動が恥ずかしかったり、他人に対してイライラするような場面も振り返れば、自分の中の常識や世間体と言うのを気にしていて、社会から外れないようにしてしまったが故に起こった感情なのだと認識することができた。
Posted by ブクログ
面白かった!
職場でヒステリックに屁理屈こねているおばさんが、
よく使っている口癖がたくさん載っていた。笑
・「平等」などというものが実現されている状態こそ不自然なのであって、不自然を現実に押し付けるとおかしなことになる。現実世界に存在する権力差を受け止めなければならない。
・「理想」というものは、「理想と違う」という考えを与えるという点で、人々に不満を抱かせる不満生成装置であり、道徳はその集大成なのだ。
Posted by ブクログ
悪の論理:間違っているが一見正しい論理のこと
「常識」「道徳」
バカは奇妙な優越感に浸る
行為をしないこと≠遂行能力がないこと
議論・意見交換
①正確な現状分析結果及び知識を持っていること
②現実に即した正しい前提に立つこと
③論理的に推論を進めて結論を得られること
議論に弱い人:議論の中身を放棄、論旨の主張のやり方や態度を問題に持ってくるバカ
→自家撞着(矛盾)
→しかし、前提が共有できないと相手を論破することは論理的に不可能
「ルール」と「マナー」は違う
ダニング=クルーガー効果:能力の低い人は自分の能力が低いことに気づく能力も低い
道徳:対話不可能性、被害者意識を常に持つ
いかなる行為・思考・態度も少なくとも極めて特異な誰か一人には迷惑である
差別→権力的に決められている
→本来思考・思想は自由なはず
でもLGBTPNZはキモいとか言われたりする
☆意味の呪縛からの離脱(相対化)と強度の自覚
→思考の明るさ、軽やかさが非ツッ用
現実世界に存在する権力さを受け止める
伝統・しきたり:病的なまでの持続的な愚劣
Posted by ブクログ
論理学や修辞学を学んでいない人にも読みやすい。
衆人に訴える論証、論点先取の誤謬など日本人が非常に弱い悪の論理技法が多く紹介されている。間違った思考を防止する身を守るノウハウ。知らない人にとっては賢さ、討論力を爆上げする良書となるだろう。さまざまな物事に対して正しい見方ができるように、このくらいのスキルは身につけておきたい。
普段からあまり深く考えるクセがついていない人、まわりの意見に流されやすい人、誰かと口論になるがいつも劣勢になってしまう人などは、基本的な論理力が身についていないから。そのような人はこの本で紹介されている詭弁によって容易くコントロールされてしまう。正しい思考をするために、悪の論理から身を守る防衛手段として読んでおくことをおすすめする。「この国に文句があるなら外国に行けば?」など、どこぞの口論で繰り広げられる幼稚な発言に悪影響を受けることはまずなくなるはずだ。
Posted by ブクログ
議論をするにあたって悪の名言と著者が呼ぶ誤謬や詭弁だとか、論理的な思考だとか、あとは知的に誠実に、いろんなことを論理的に突き詰めて考えた著者が至った「思想」について。この本を読んでもっと理知的に生きていきたいもんだなと思った。特に意見を主張するにあたっては、それを徹底的に突き詰めて考えないと。せっかくだから頭使いたいし、余計なストレスなく楽しく生きていきたい。
Posted by ブクログ
こういったダメな会話と出会った際に、相手にするのがいつも面倒だからと「そうなのか〜」と投げやりに思考停止すれば楽だ。しかし、いつもいつもそうやって流していては、悪の論理に対抗できるようにも、操ることが可能にもならない。
Posted by ブクログ
ここ数年で読んだものの中でも刺激的な内容だった。そして、自分は「悪の論理技法」を使って話をすり替えてることが多いと思う。わかる人からしたら「こいつやってんなー。」と思われているのかもしれない。薄っぺらさもバレているんだろう。ラテラルシンキングだぜ!と得意げに言っていたけど、恥ずかしくなってきた。こんな本を読んでしまうと、さらに自分の意見を言うのが嫌になりそうだ。
自分はいかにも日本の昭和的な教育を受けてきたと思うし、世間で言われている常識や謎ルールを、疑いもせずに従っている。そして、それが良いことだと思ってる。だから搾取される側だ。気付けたから、気付けてないよりはまし、って思いたい。