【感想・ネタバレ】10歳でもわかる問題解決の授業のレビュー

あらすじ

■100%の正解がない社会人の世界で
役に立つのは"精度の高い、現実的な解決策"

社会人になると、大きな問題から小さな問題まで、
あらゆる壁に直面することになります
しかし、私たち日本人は、問題解決を苦手としています

それは、小学校以来のテストの世界で染みついた、
「正解を見つけられなければ0点、考えた意味がない」
という結果主義のためです

■コンサルタントの思考のフレームワークを解説!
著者は、経営コンサルティング会社を経て、
10年以上にわたり、小学生向けに
「問題解決力」「論理的思考力(ロジカルシンキング)」を
高めるための「考え方」を教えてきました

■本書は、小学生が実際に解いている問題などをご紹介しながら、
「仕事の効率化、スピードアップ」
「アイデア力、交渉力、プレゼン力、伝
える・説明する力」 「人間関係、コミュニケーション」
「計画や目標の達成」「仕事のミス、モレ防止」
……に役立つ問題解決の技術が身につくように工夫しました。

・「儲かっていないスーパーを繁盛させるには?」
→【問題解決のためのフレームワークが身につく問題】
・「苦手な算数が得意になるには?」
→【筋のいい仮説をつくる力が身につく問題】
・「右打ち?左打ち?ヒットを打つには?」
など
ぜひ、コンサルタントが数年かけて身につける
「論理力」「仮説力」「実行力」を短期間で身につけてください

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Posted by ブクログ

ネタバレ

学習塾で実践されている、子どもの「自分で考える力」のロジックだが、大人でも参考になる。
大きな舞台で成功するために、小さな失敗をうまくしておくこと。立ち止まっているよりも、十回挑戦して一回成功したもの、仮説検証と評価のサイクルを素早く実行したものが、一流になれる。

問題「解決」力と、問題「設定」力
思考のフレームワーク。
現象にとらわれず、問題の混成要素を分解して、打ち手を→検証→次の行動に活かす

・SCAMPER

0
2017年10月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「問題解決」の手法についての本。読みものとしての楽しさがありつつ、でもどのカテゴリに分類されるかと考えてみるとどうも教科書の部類に入るなあというタイプですね。『10歳でもわかる』と銘打たれているとおり、シンプルかつ明快で言葉遣いも平易。著者が主催している塾が子どもたちに教えているのがこの「問題解決」についてなので、納得のわかりやすさです。トライアンドエラーが問題解決実行の肝ですけども、本書もその繰り返しで相当きたえられたゆえにこの形にまでぜい肉が落ちた感があります。

ただ、取り扱っている中身は子ども用のイージーなものではありません。パッケージこそ簡素でやわらかいですが、内容は大人だってウンウン頭を絞ってもなかなかスマートにいかないような骨太さ。

仕事にしろ私生活にしろ、人生で何度も出くわす避けられず困り果ててしまう場面で求められるのが問題解決のスキルです。問題に直面したときに、それをうっちゃっておくのも、積極的に解決しに行くのも自由ですが、うっちゃっておく自由を選択したことによって強大な不自由を呼びこんでしまうなんてケースがあることは想像に難くありません。また、問題自体の存在に気付けないことはよくあって、「何が問題なのか」をあぶりだすにもスキルが必要だったりします。

そこで役に立つのが、わかりやすい教本的な性格のつくりである本書、と相成ります。最初に解説されるのが、3つのステップなのですが、それはこういうものです。
ステップ1=「問題を理解し、設定する」
ステップ2=「決断する」
ステップ3=「その後の不具合を分析して修正する。そして、次回に生かす」
このなかで「決断する」がダントツで恐怖や不安を感じさせる行動でしょう。決断に強烈な恐怖や不安がつきまとう傾向は、特に日本人に強いとされています。でも、ステップ1で「問題を理解し、設定する」をしっかりやった後ならば、論理的な裏打ちがあるので決断しやすくなりますし、ステップ3で「その後の不具合を分析して修正する。そして、次回に生かす」をやっていくと決めれば、なにも失敗しちゃすべてを無くすわけではないし、そればかりか失敗があってこそ向上していけるのだということがわかりますから、決断にのしかかっていた余分な重みが蒸発していくような感じがしてくると思います。

というようなところを起点に、それぞれを細かく見ていくことになります。「問題解決」のフレームワーク(数式の公式にちょっと近い感じでしょうか)の有名なものにはたとえば「SCAMPER」と呼ばれる考え方があります。ぞれぞれ頭文字をとっているのですが、「Substitute(サブスティチュート:代用する)」、「Combine(コンバイン:組み合わせる)」、「Adapt(アダプト:適応させる)」、「Modify(モディファイ:修正する)」、「Put to other uses(プットトゥアザーユースィズ:その他の使いかたをしてみる)」、「Eliminate(エリミネート:取り除く)」、「Rearrange(リアレンジ:並び替える)」&「Reverse(リバース:逆にする)」の8つのものの見方をまとめて覚えておこうというものです。なんだか十得ナイフみたいですが、これらだけでもしっかり身につけておければ、格段に考える能力の質は上がるのではないでしょうか。

本書ではこのほかにもフレームワークやスキルの種類をいくつか紹介していますが、そういった手法的なものよりも、現代人、強いていえば現代日本人の心理に絡みついているある種の認知バイアスをほどいていくために書かれているような文章が、本書の実はカギになった作りなのでは、と僕には感じられました。仮説を立てるために議論する場合などで「否定せずに深掘りを目指す」と説明する箇所だとか、前例に拠って決断したことが失敗したときに「前例自体に責任があるので、今回の決断に落ち度はない」と言い訳思考するのではなくそういった成功事例に拠って失敗してもそこは当事者意識でしっかり分析していくのが本当だとする箇所だとか、普段気にせずに流しているけれど、実は理にかなっていないんだとわかる例が、多々書かれてあるんです。こういうところは「空気」や「同調圧力」などのように存在して、多くの人の「生きにくさ」へとつながっている部分でもあるので、ちょっと気をつけたいです。

僕はつらつらっと次から次へと本をとっかえひっかえで読書するタイプなので、こういった「再読して自分の身にする」ための道具となる性質を備えた本に出くわすと、ほんとうはじっくりこういう本と関わって学んだらいいんだよなあ、と一瞬立ち止まってみたりしてしまいます。まあ、すべてをインプットできなくても、問題設定とトライアンドエラーなんだ、という意識くらいはずっと持っていられそうですし、それだけでも大きいかなと思いました。それに、本棚からいつでも取り出してめくることができれば心強くもありますし。

人生、難題だらけ。なので問題解決は大事なんですが、それに先立ってエネルギーを充填しておくのがほんとうは一番です。まずエネルギーがあってこそ、問題解決をやれるのだ、と。そうでしょう?…………などと問題解決思考的にやってこのレビューの締めとします。

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2021年03月31日

Posted by ブクログ

ネタバレ

いま(2022/01/22) 流行の「上流思考」の解説を、小学生にも理解レベルにおとしこんだものに近いと思う。
なにか、解決しなければならない問題があったときに、
どういうアプローチをしてばいいのか、

その解決法は複数あること、
そのどれか一つが100点、その他は0点というわけではないこと
その問題はなぜ生じているのかも考えてみよう
その生じている理由を取り除けないか?

といった感じで、進んでいくのだが、それでもこれを小学生が一人で読むのはなかなか難しいかもしれない。
もとはレクチャー内容をまとめたものらしいので、小さい子に説明するときにも使えるし。大人でも、解決方法へのアプローチがわからない、その具体例がほしいという人には役に立つかも。
良いところは簡単な具体例をいつも例示しているところ。
何かを説明するときに具体例を挙げているのは良い説明。

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2022年05月21日

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