あらすじ
軍服で地面を蹴って民族の踊りにあふれるこれも戦場 撃ち尽くし挟撃されて戦士らがジェラシの土地を血に染めし夏-。闘争、恋愛、家族、祖国への思い…。独房で詠んだ、決意の美しさが胸にしみいる作品集。
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Posted by ブクログ
重信房子氏は日本赤軍
の元最高幹部。
昨年、刑期満了で出所
されています。
本書は重信氏が獄中で
詠んだ歌が収められて
ます。
数々の事件を首謀して
国際指名手配されてた
重信氏。
暴力にうったえるテロ
は撲滅してかなければ
ですが、
その背景にある社会の
歪に光をあてて、
弱者の声に耳を傾ける
ことも必要だなと。
真なる民主主義という
理想を掲げて、
若き日を闘争に捧げた
重信氏。
その目に現在のこの国
はどう映るのか・・・
以下、活動期に想いを
馳せた歌を幾つか抜粋
─
『本当の想いを告げたらいつのまにか夏雲のように去りゆきし君』
『銃口にジャスミンの花無雑作に挿して岩場を歩きゆく君』
『戦場のハンモックに寝てみあげれば満天の星手に触れるごとし』
『灌木に君寄りかかり少しずつ祖国追われし日を語りたり』
『ぬばたまの闇かきよせる掌の中で火を隠し喫う戦場のタバコ』
『上弦の月に照門照星を合わせて静かに指令をまちぬ』
『投降の呼びかけのビラ降る街で老婆がひとりひなたぼっこする』
『友の死を「見捨てたわけではないのだから」号泣する君の肩をゆさぶる』
『体液がどっと一気に流れ出す君の死知った五月の夜よ』