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Posted by ブクログ
私が初めて読んだ梨木さん作品です
何事もなかったかのようにボートで帰ってくる亡くなったはずの友人高堂、綿貫に恋慕を寄せるサルスベリ、
仲裁犬ゴロー、信心深い狸、河童や小鬼と
不思議なことが日常の一部となって物語が紡がれています
解説の吉田伸子さんが書かれていた、読後の「間違ってなかった」との感想はまさにその通りで、
一遍一遍は短い物語なのですが、ずっと浸っていたい気持ちになりました
明記はされていないものの、滋賀と京都の県境のあたりが舞台になっており、安寧寺川(安祥寺川)の記載などから山科のあたりではないかと推測されている方もいました
疎水縁に咲く桜、美しい山並み、いつか訪れてみたいものです
Posted by ブクログ
とにかく奇妙で、綺麗なお話だった。
明治頃の京都あたりの物語で、昔っぽい語り口調が特徴的。だから意味がよく理解できていない部分もある。
インターネットとか近代的なものがないから、そういったものに時間を取られることなく、自然と共にゆっくりと時間が過ぎていくのを眺める生活をしていて羨ましいと思った。できないこともないけど、便利だからやっぱりスマホは使っちゃうよね。
主人公の綿貫は怪異についての知識がないから読者目線の人物だった。怪異に驚きつつも受け入れる綿貫は素直な人物なのだろうなと思った。鈍感なところもあるけど、そこも愛らしい。
長虫屋の親がカワウソなのが衝撃的で面白かった。腹違いの弟がいるところも、複雑な家庭でとても気になる。
黒い虫が腕にとまって、それが黒子になったという話も不思議だった。私の黒子ももしかしたら虫だったのかもしれない。
竜田姫と佐保姫のところがちょっと理解できなかったからもう一度読みたい。二人とも伝説上で実在してるみたいだから事前に知識をつけてから。
高堂はあの世の狭間に行ったときに、葡萄を食べてしまったみたいだけど覚悟がなかったのだろうか。
これからも、掛け軸から高堂が遊びに来て、二人で話すんだろうなと思うと微笑ましい。
私が見えないだけで、この本に登場したような怪異は周りにたくさんあるのかもしれない。私も見つけてみたい。もう一度読みたいと思えるお話だった。
Posted by ブクログ
亡くなった友人の家に家守として住む主人公。時は明治の最後のほう、場所は京都と滋賀の間の疏水沿いのどこか。毎回異なことのおこるファンタジー。穏やかで雰囲気良し。ちょっと切ないところも夏目友人帳みたいな読み心地です。