あらすじ
人が視覚や聴覚、または身体の一部を失った時に脳内ではどのようなことが起きているのか。また科学技術を駆使して脳の機能を拡張させ、身体に五感以外の新たな感覚をつくることは可能か。最先端の脳科学と人類の未知なる可能性を著名な神経科学者が語り尽くす
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Posted by ブクログ
脳の可能性を開拓し続ける超名著。
ディキンソンは「僕たちの脳は空よりも広い」なんて言ったわけだけど、まさしくそれを実感できる一冊でした。
『生物と無生物のあいだ』で福岡氏は、「生命とはなにか?」に対して「それは動的平衡にある流れである」と答えた。つまり、必須と思われている機能ですら無いなら無いなりになんとかするのが生物だってわけだな。
本書はそれを脳科学的に証明していて、脳はこの能力が特に強いというのが仮説の一つになる。脳が半分になったって、日常生活を変わらず遅れる人がいるのはそれが理由だ。
特に面白いのが、多くの人が学習しているパターン以外にも、脳は独自のパターン分けが出来るという部分かな。人工内耳やエコーロケーション、触覚系など、脳は勝手に学んで世界を理解できる形で整理してしまう。
そうした意味を含めて、脳は「ライブワイヤード(絶えず自らを改造する)」装置なのだと筆者は語る。難しい言葉になってるけど、つまり可塑性が高いのが脳ってことだな。
ああ、あと夢を見る理由に、睡眠を取らなくてはならない生物が、視野の脳領域を確保するため(他の感覚装置に領域を取られたくないため)というのは結構新しい視点だった。真偽はどうであれ、過去の記憶の整理よりは納得できる説だと思うかな。
Posted by ブクログ
脳の可塑性、否、live wiredに関する本
脳は果てしない変化と適応を続けながら情報を求めるシステム
メモ
・変化はとても早く7日間目隠しするとことに関する技能が高まる
・ポテトヘッド仮説 脳は感覚器官を差し込みさえすれば脳はその使用法を見つけ出してくれる
・感覚代行 舌で見るなど、入力をすれば別の器官で受け入れることもできるようになりうる
・ライブワイヤリングの主な特徴
世界を反映する 脳は自らを入力情報に適合させる
入力情報を受け入れる 脳はなんである流れ込む情報を活用する
どんな装置でも動かす
大事なことを保持する 自分にとって大事なものに脳は資源配分する
安定した情報を閉じ込める
競うか死ぬか 脳領域の生存競争から可塑性がうまれる
情報を求める 脳は世界に関する内部モデルを構築し、自らを修正する