あらすじ
〈秘密〉それは幻想怪奇と推理小説を産み出す源泉。今回のテーマは、私たちの最も身近な存在です。それは……秘密――。おそらく、私たちの誰にとっても、ひとつや、ふたつは、密かに持っているものでしょう。誰もが知っている〈秘密〉の味。だからこそ、〈秘密〉をめぐる物語は、魅力的です。あらゆるジャンルを超えた《異形コレクション》という秘密の隠れ家で語られる極上の物語。心ゆくまでご堪能ください。(編集序文より)
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Posted by ブクログ
自分の境遇と似ていることもあり、没入感高めでゾクッとさせてもらったのは黒澤いづみ「インシデント」。死の恐怖を描いた斜線堂有紀「死して屍知る者無し」は良い感じに価値観を揺さぶってくれる。小中千昭「モントークの追憶」は90年代のオカルトブームから現代の陰謀論が地続きなんだと思えてゾクゾクした。個人的に最もおもしろかったのが平山夢明「世界はおまえのもの」。読者を馬鹿にしたような登場人物の名前や、掲載して大丈夫か心配になるような暴言の数々。しかし物語の構成は見事で、読後感もすっきり。
Posted by ブクログ
今回も面白かった。
コロナ禍にからめた話が数作あって、のちの時代に読んだひとはどう感じるのかな、なんて思ったりもした。
面白かったのは、
『インシデント』
コロナの話かとおもいきや…恐怖と絶望感が良かった。
『死して屍知る者無し』
真相はたぶんこうだろうというのは結構すぐわかるけど、最後の二行がめちゃめちゃに好き。良い絶望感。
『貍 または怪談という名の作り話』
国民的アニメをみるとき今後絶対思い出しちゃう…。
『世界はおまえのもの』
どうにもできない焦燥感と絶望感。終わりの無い地獄。