あらすじ
身の丈六尺近い、雪のように肌の白い〈奴の小万〉は、愛しい男を守るためなら、角材を手にしてでも大立ち回りに走る。大阪屈指の豪商の娘でありながら、「せっかくこの世に生まれたからには、くわっと熱くなる思いがしてみたい」と、型破りの生き方を貫く。歌舞伎にも登場する痛快な女侠客の実像を初めて描く!
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Posted by ブクログ
11/9 今から何百年前の人でも悩みはさして変わらないなー、と。そのなかでこんだけアッパレな結末を自分で導いたのには感服。いつもちょっと私の予想を裏切る、(というか予想を挟む余地なく読ませる)松井今朝子の作品にはまっている。
Posted by ブクログ
★3.5という感じではあるが、なかなか面白かった。
意識的か無意識のうちかは不明だが、現代のフェミニズム(もうこの言葉も死語かも)を刷り込ませようとするきらいはなくもない。
しかし自らの体調不良+睡眠不足での旅中での読書を考えれば、上出来の娯楽作。
Posted by ブクログ
大阪屈指の豪商の娘、長身で美人。
頭もよく、両家の娘のしてのたしなみの覚えもよく、
しかも、ひとたびことあらば、火のような情熱で
愛しい男を守るために角材を手にして大立ち回りもやってのける。
世が世なら大活躍のスーパーウーマン・・・されど
お雪が生きるのは、まだまだ女性の地位が低い江戸の昔。
やることなすこと、人々のおったまげること、この上なし!
でも、それを楽しんでいる。苦しいときも、負けてない。
胸がすかっとするような、でも、読後、なんとなく
哀しみがにじみ出てくるような・・・。
お雪が子供のころに祖母から言われた言葉
「嬉しいときは誰でも笑う。哀しいときも笑うがよい。
ほんまに嬉しいときは、腹の中でこっそりわろたらええ。
哀しいときこそ、声をあげてわろうてやれ」
この言葉の深い味わいに光年想いを致したお雪の胸の内を
思うと・・・哀しくも勇気を与えられる。