【感想・ネタバレ】人権と国家 理念の力と国際政治の現実のレビュー

あらすじ

今や政府・企業・組織・個人のどのレベルでも必要とされるSDGsの要・普遍的人権の理念や制度の誕生と発展をたどり,内政干渉を嫌う国家が自らの権力を制約する人権システムの発展を許した国際政治のパラドックスを解く.冷戦体制崩壊後,今日までの国際人権の実効性を吟味し,日本の人権外交・教育の質を世界標準から問う.

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Posted by ブクログ

ネタバレ

普遍的人権という国家にとって厄介とも言える存在がどうしてここまで発展したのか?また、どのように発展したのか、理解をするための本として良い。国家同士の批判の道具として、また国民への戦争や自国の行為の正当性を高めるために使った結果、想定外の価値を高めてしまった人権。
しかし、それは今後なくてはならない発展であったのも事実。また、限定的な対象者の為の自然権が広まっていた頃に比べて、普遍的人権が広まった今、その実効性はどの程度あるのか、という疑問に対して大きな人権侵害における影響力は低く、小さな人権侵害には効果が高いという結果であった。また、形として高い効果がなくとも、その反対運動のきっかけとなったり、周りにその事実を知らしめることが出来たり等、普遍的人権という存在の大きさを知った。一方で、大国の力は大きく、ある国が批判をしたところで、経済制裁をした所で、武力行使をした所で、そう簡単に変わらない伝統や文化、考え方があることを心に留めて置かなければならない。必要なのは国際的協力の上での、その国に寄り添う形や、妥協をする形での交渉である。

普遍的人権が発展した大きな理由は、それぞれの国家が利益を求めようとした姿勢である。それらが生み出した誤算が普遍的人権である。皮肉にも、それに縛られるようになった国際社会は、今後よりこの人権に縛られるようになるだろう。

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2024年04月05日

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