【感想・ネタバレ】増補改訂版 誤解だらけの発達障害のレビュー

あらすじ

発達障害を「正しく」理解することで、“生きづらさ”は解消できる!

今日では広く知られるようになった「発達障害」。
しかし“玉石混交”の情報が飛び交い、いまだに誤解や偏見は根強い。

「育て方が悪いせいだ」と発達障害の子どもを持つ親をなじったり、
「空気の読めない、個性的な人」をアスペルガー症候群と決めつけたりするような傾向さえみられる。

本書はこのような「誤解だらけ」の発達障害について、そのファクトを明らかにするべく、専門医・岩波明氏が執筆。
最新知見を加えた<増補改訂版>としてリニューアルする。


早期治療が有効? 投薬治療はするべき?
専門医があらゆる疑問に答えます

〇“大人の発達障害”とは?
〇親の育て方が悪いとなるの?
〇どんな検査方法があるの?
〇どんな治療法があるの?
〇治療すれば完治するの?
〇誤診されることもあるの?
〇「カサンドラ症候群」とは?
〇他の病気にもなりやすいの? ほか

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

 発達障害に関して誤解されやすいポイントを解説すると共に、発達障害当事者にとっては自分自身を理解し生活上の困難や苦痛をやわらげる糸口にも成り得る一冊。

 特に頷いたのは、「重要なのは、診断よりも、困りごとや生きづらさに対して、どのような対策をとっていくか」という一文。そう、まさにこれ。まさにこれなんですよ……。
 発達障害は病気みたいに治るものではないけれど、日常の困難をやわらげ、生活しやすい状態にしていくことはできる。
 そのためには当事者が自分自身の特性を知ること。知ることによって対応策を考えることも出来るようになる。

 当事者にとっては耳が痛くなるようなことも容赦なく述べられているけれど、その一方で自己の受容の必要性にも触れられているので、口当たり良く誤魔化されるより余程良い。
 発達障害そのものがまだまだ研究途中の段階にあるので何もかもすべてを詳らかにしてくれる本ではないけれど、いま現在わかっていることはわかりやすくまとめられている。これから新しくわかってくることもあるのだろうけれど、今現在の誤解は解かれて欲しいし、誤解に基づく偏見(周囲からの、ときには自分自身に対しての)から苦しむ当事者の苦痛をやわらげるきっかけの一冊となって欲しい。

0
2022年08月20日

「暮らし・健康・美容」ランキング