あらすじ
とある町で行き倒れそうになっていた謎の青年・夜木。彼は顔中に包帯を巻き、素顔を決して見せなかったが、助けてくれた純朴な少女・杏子とだけは心を通わせるようになる。しかし、そんな夜木を凶暴な事件が襲い、ついにその呪われた素顔を暴かれる時が…。表題作ほか、学校のトイレの落書きが引き起こす恐怖を描く「A MASKED BALL」を収録。
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Posted by ブクログ
個人的には
「A MASKED BALL」が本当に面白かった。
短編なこともありテンポも良く、私は最後まで展開が読めなかった。本を読みたい、本でドキドキしたいときに読んで良かった一冊。
2025/01/26追記
この本に出会って3年ほど経ってますが、やはり私にとって特別な一冊だと再認識してます。
(人によるし、そういう本はきっと皆さんにもあるかなと)
主人公と犯人の攻防、犯人自身の恐ろしさ、ストーリー展開、なぜ面白いのかを私の人生の一部で研究できたこと、幸せだなと思います。
Posted by ブクログ
久しぶりの乙一!
最初の「A MASKED BALL 」の方が好き!
まあ、それそれ違う良さがあるけど。
・A MASKED BALL ★★★★
設定が良い!
トイレの落書きから事件が発生する。
非常に面白い!!
ただ全く恐怖を感じなかったし、掃除のおばちゃんの霊的なものの仕業?ってのが納得いかん!笑
普通すぎる。
それにしても、トイレの落書きとか全く見かけないなー
・天帝妖狐 ★★★★
こっくりさんの霊?みたいなものに取り憑かれた人の話。
面白いというより、話に引き込まれた。
Posted by ブクログ
2作収録されている内、解説では一切触れていませんでしたが、私はタイトルになっている「天帝妖狐」を推したいです!夜木と杏子の関係が良くないですか?未来に何の希望もないのに、人生の唯一の輝かしい時間を与えてくれた杏子にお礼を言えちゃう夜木が切なくないですか?解説一推しの「A MASKED BALL」もおもしろかったものの、オチがモヤっとしていて納まり悪いんですよね。「天帝妖狐」終盤の鬼の所業(狐か)は半目読みでしたが、幸せが待っていて良かった。表紙とタイトルから、こんな切なさをもらえるとはとても想定外でした。
Posted by ブクログ
A MASKED BALLも好きな感じのミステリー?ホラー?だったけど(トイレの落書きの連続から始まるお話、そしてラストのスッキリするどころかゾッとする感じがとてもよかった)
いや、いや〜〜〜〜
天帝妖狐、読み終わった今大号泣し過ぎてまだ立ち直れてないからね?ほんとに、フルバのキョンくんの封印が解けてしまった姿と一瞬だけ重なったけど、夜木の醜い姿も隠された凶暴さも孤独も不安も悲しみも、そしてその救われなさ、比べ物にならないな??比べるのがおかしいんだけども
ただの純朴な少年であったろうに、私は早苗に恨み言しか持てない、早苗も寂しかった?だから夜木を引きずり込んだの?でもそれって酷すぎるよ〜〜〜、これから何百年何千年も、誰にも何にも愛される事のない姿をひた隠しながらひとりぼっちで生きてくの?かわいそうすぎない??
と、そんな風に私の心も涙腺もブンブン揺さぶって行きました。
久々に読んだ乙一さん、完璧です。
Posted by ブクログ
個人的には表題作、天帝妖狐がお気に入りです。無垢な子供時代の、たった一度の過ちによって永遠に続く咎を背負うことになる夜木。彼が自らの罪を懺悔する文章が可哀想で、たまらなくなりました。夜木が杏子へ宛てた罪の告白の手紙から始まり、読むにつれて真相が晴れていく所が面白かったです。また夜木は秋山と井上に酷いことをしたけれど、結果的に命までは奪わなかった所は、彼が杏子のおかげで人間としていられた証拠なのかなと思います。
「永遠の牢獄が存在するならば、自らそこへ入りましょう」という文章がとても印象的でした。