あらすじ
孤独感や孤立とどう向き合うべきか? どうすれば克服できるのか? 老いや死への恐れ、コロナ禍やSNSの誹謗中傷などますます生きづらくなる社会に、「救い」はあるのか? 著者はアドラー心理学を読み解く第一人者だが、NHKの「100分de名著」では三木清の『人生論ノート』やマルクス・アウレリウスの『自省録』を取り上げるなど、古今東西の哲学に詳しい。哲人たちの思索の上に、自らの育児、介護、教職経験を重ねて綴る人生論。
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Posted by ブクログ
アドラー心理学で有名な岸見一郎氏の孤独についての本。
書きすじが人柄が伺えるようで、孤独をテーマとしているが重すぎず比較しながら読める。
孤独の種類については、夏祭りの後のような孤独も有れば…と、当然のように老人の孤独と思っていたので引き込まれていくものがあった。
哲学者の言葉も引用してありなるほどと思うものが多かった。
Posted by ブクログ
人から認められることは生きていく中で大切で、認められることで孤独から抜けられると思います。でも、一歩その枠の外に出てしまうと認められることや好かれることは全く意味のないものだと思います。声を上げたときに味方になってくれる人がいると理解するには自分にはまだ遠いことだと思いますが、少なくとも親族の中ではそう思うことができています。もっと自分を信じて繫がらないことを恐れない心をもちたいとこの本を読んで思いました。
Posted by ブクログ
孤独からの脱却は他者への信頼関係を築くこと。
人間関係の安定が孤独感を和らげてくれるのだろう。
孤独な人生でも職場など周りの人間関係は円満にしていきたいものである。
自分の不幸を嘆くのではなく受け入れていこうと思える一冊。
Posted by ブクログ
古来さまざまな哲学者によって語られてきた孤独の受け止め方から、コロナ禍以降の現代の孤独をどう乗り越えていくか、そしていつか必ずやってくる絶対的な孤独・死をどう見つめるか…
日本のアドラー研究の第一人者であり、「嫌われる勇気」がベストセラーとなった岸見一郎さんの、2022年版アップデートされた孤独論です。三木清の著作から多く引用されています。
自分軸をもちながら、傷つくことを恐れず、仲間だと感じられる人と関係を気づいていくこと。未来も死も、「先のことはわからない」という点で同じであるならば、やはり今にスポットを当てて生きなければならないこと。好きでやりたいことがあり、やらなければ気が済まないことならば、他人の評価を気にせずやること等、あらためて大事だと感じられるメッセージがあります。
とくに頭にのこったのは、岸見さんと彼の父親とのエピソード。最初はうまくいってなかった関係が、介護を通じて向き合いながら、お互いに作用しあって信頼し合えるようになるまでの模様が淡々とリアルに描かれています。この岸見さんと父親との関係で一冊エッセイ書いてくれると嬉しいなあ。