【感想・ネタバレ】荘園の人々のレビュー

あらすじ

日本史の授業でいちばん教えにくいと言われる荘園。時代や場所により性質が様々で、関わり人々の利害関係が複雑なことがその理由だろう。しかし、古代から中世にいたるまで特産物によって日本の経済を支え、王家・摂関家を頂点とする重層的な社会構造を生み出したのは荘園に他ならない。加えて武士の発生や源平の争乱も荘園の支配権争いに端を発する。この制度を把握できなければ日本の歴史を真に理解することは出来ないだろう。本書はそんな荘園の実態を、荘園に生きた人々のドラマを通じて具体的に描いた画期的な入門書。この本を読めば荘園が面白い存在に見えてくる。

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Posted by ブクログ

歴史を学び直してみたいと思い立ち、読みはじめた中の一冊です。
荘園をめぐる人々との関わりという視点から、荘園の歴史的変遷が語られています。
荘園に関する叙述上のネックは、学術用語。素人の私にはやはり煩わしい。
ですが、取り上げられているのは、何れもよく知られた荘園で、本書をきっかけに関連書の再読、挑戦してみようか、と思わされました。
本書がはじめて世に出たのは1970年代ということですが、高橋典幸氏による現代の研究動向も踏まえた簡潔でわかりやすい解説があり、本文庫版でも紹介されている伊藤俊一著『荘園』(中公新書)を相前後して読んでいたことも助けとなりました。

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2022年07月24日

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