あらすじ
蘭方医と妖狐があやかし事件の謎を解く!
留学先の長崎から江戸に戻り父親の診療所を継いだ武居多聞は、武家の出の蘭方医。ある日、大怪我の痛みで暴れる男の手当に難儀する多聞の前に、ひとりの薬売りが現れる。薬売りはハッとするほどの美貌の持ち主で、なぜか多聞に謎の薬を差し出し、治療を助けてくれた。
数日後の往診帰り、暗い夜道を急ぐ多聞は、獣のようなうなり声を聞き足をとめる。そこにいたのは例の薬売り。だが彼は、見たこともないような恐ろしい姿の化け物と対峙していた――!
その夜の出来事が信じられず、なにもかも夢だったのではないかと思いはじめた頃、多聞は傷ついた狐を見つけ、屋敷で手当することに。そして同心・厚仁から、人々が何者かに斬りつけられる事件が続いていると聞いた多聞は、厚仁とともに事件を追う中で再び薬売りと出会う。薬売りは化け物退治をしているのだと語り、彼の手助けすることになった多聞は、やがて、人の恨みや苦しみから生まれる恐ろしい事件と、その裏に隠された妖狐の因縁を知ることに……。
人の心の闇と千年の想いを描く和風ファンタジー!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
面白かった!
蘭方医多聞と妖狐青が出会い、化け物退治に繰り出す
幼馴染厚仁にも、青の秘密を隠さなかった事は画期的な展開でした
友を隔てない多聞が素敵
見てるのに怖くて終盤まで信じないトコも笑えます
三人がそれぞれに独特なキャラ立ちをしているのも楽しかったです
そして伏線〜!それは分からなかった!悔しい!(笑)
でも一番怖いのは母上
Posted by ブクログ
多聞先生を始め、何だかんだと文句を言いながら怖がりながらも力になってくれる厚仁さんなど、人の好いキャラが多くて、妖怪のお話ながらもほっこり読めた。
蘭学仕込みで、多聞先生の医療や考え方は、この時代にしてみれば先進的なものも。
それが事件解決の助けになるし、武家の出だから刀も扱える。
「青」にとっては心強い相棒だろう。
もっとも、ちゃんとした友になるのは、後半になってから(だったと思う)
狐たちと人間の共闘シーンに盛り上がったし、千年続く「青」の抱えた因縁に厚仁さんじゃないけど涙したし、前述通り人の好い多聞先生に大いに癒されたり、大変好みな物語だった。
狐の妖怪となれば、な存在が絡んでいたのも個人的ポイントが高かった。
シリーズとして続いてほしいなあ。