【感想・ネタバレ】経済参謀 ~日本人の給料を上げる最後の処方箋~のレビュー

あらすじ

円安・物価高・低成長経済をどう立て直すか。

円安・株安・債券安の「トリプル安」に見舞われ、日本経済はますます混迷の度を深めている。その一方で、日本の労働生産性は上がらず、今や1人あたりGDPや年収で韓国の後塵を拝するまでになっている。その“敗因”を、著者は「変化できない国になったから」と喝破する。

〈このままだと日本は、繁栄した後に400年衰退したポルトガルやスペインと同じ道をたどるだろう。それを止めるためには「持続可能な日本」をつくる戦略、いわば日本経済のBCP(事業継続計画/ビジネス・コンティニュイティ・プラン)が必要である。その提案・提言が、本書の目的だ。〉(プロローグより)

日本の生産性を上げるには、企業や個人のみならず、国や地方の行政も一気にデジタル化する必要がある。
ところが、古い住基ネットをもとにした現在のマイナンバーカードは、不便な上にメリットが少なく、生体認証もないからセキュリティにも問題が多い。
著者は、“使えない”マイナンバーカードは、ゼロからつくり直すべきだと主張する。

〈もし私が首相だったら、自分が扱いやすい側近や子飼い官僚などではなく、ブレーンとして抜本的で効果的な対策を分析・立案できる若手の有能なエキスパートを集めた特別チームを作り、そこで決定したことを所管大臣に実行させる……。
ここに書いてあるような提言を実現してくれる政治リーダーと、もっと若くて行動力のある「経済参謀」の登場に期待している。〉(エピローグより)

今こそこの国には「参謀」が必要だ――。各国で経済アドバイザーを歴任した“名参謀”がわかりやすく解説する日本改造論の決定版。

(底本 2022年4月発行作品)

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Posted by ブクログ

ネタバレ

大前研一氏の集大成的な本。企業参謀のコンセプトを国に当てはめる形で、提言する。まさに、自身が国家の参謀ならば、というRTOCS的な考え方。
基本的には、日本の根本的な問題は教育にあると捉えている。義務教育は、本当に無駄かつ誤った方向に向かわせている。北欧、韓国など各国の例も、国家ぎ向かう方向を明示的示しているし、アメリカのGifted and talented の制度こそ、国を挙げて戦うために最優秀、10パーセントの子供には特別な機会を与える。それが、将来のアインシュタインをうむのだと。日本は覚えることに力を入れて、考えることを捨てている。アメリカで、答えのある問いはほとんどない。幼稚園からそうなので、日本も変わるべきと思う。
経済活性化には、産業の育成がキーだが、日本は素晴らしいリソースがあるのに、地方に権限と予算がなか、自立していないのでもどかしい。広域経済圏の育成か徹底的なデジタル化が唯一の道と説いているが、中国など州ごとに競い合うことで磨いていくやり方はあると思う。
逆に、なぜ日本という国は大前研一という参謀を必要としていないのか。最高の国だなといつも海外から思う。だからこそ、意識ある戦いと、育成に自分も貢献したいと思わせてくれる良書である。

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2022年08月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

言ってることは「その通り!」のことばかり。

これだけハッキリ政権批判を理路整然と出来る人は、なかなかいない。

大前さんみたいな人が、政治家になると良いんだけれど、、、
こんな優秀な人が若い時には、官僚にも、しがらみばかりで2世議員が蔓延る政治家にも、興味がなかったんだろうなぁ。。

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2022年12月29日

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