あらすじ
《ささやかだけど、かけがえのないことが、世界を変えていく》
環境問題の先駆者として名高い科学者レイチェル・カーソンが、愛する甥に遺した『センス・オブ・ワンダー』。
その小さな本には、危機の時代を生きるための大きなヒントが詰まっている。
仕事や人間関係など身近な生活のレベルから気候変動までを貫く不滅のメッセージを、批評家・若松英輔が読み解く。
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私たちは確かに自分に必要なものを、自分で見つけることができます。ただ、 そのときの「自分」とは他者に開かれた「自分」なのです。
「よろこび」が先にあれば、必ず「学び」は起こる。本当に、深いところでよろこびを経験すると、私たちのなかで「学ぶ」というもう一つの本能が開花する、そうレイチェルは感じています。
――「ただ、相手と共にいて、一緒に驚き、よろこぶこと」が育む、未来を切り開くちからとは。
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感情タグBEST3
Posted by ブクログ
親として、地球人として、仕事人として、出会えてよかった一冊。簡単に翻訳したり、要約したりしてしまったら大事なものがこぼれ落ちてしまうレイチェルのメッセージを、コロナを経験した現代の視点や、紀貫之、アリストテレスら古今東西の知恵と照らしながら、あの手この手で深めてくれる。世界で唯一無二のレイチェル・カーソン『センス・オブ・ワンダー』の読み解き本。講義ベースの本ということもあって、まるで教室にいるようなライブ感も味わえる。本題を超えて、「そうか、本当に学びのある読書っていうのは、こうやってやるんだ」ということまでも教えてくれる。
Posted by ブクログ
「読むと書く」という講座からうまれた、「センス・オブ・ワンダー」の批評
良い教科書のような綺麗な文体と内容。
日本語で出版された本の後半の4人の解説はそれぞれの立場から書かれているが、こちらは批評家らしくもっと直接的に一冊の本とするほどの分量で取り組んでおられる。
素敵過ぎる元の本を繰り返し読んだ方が良い気もするが、この本を読んで良かったとも感じる。