あらすじ
弾く人も聴く人も、科学の視点で音楽を楽しもう!
ピアノ、バイオリン、トランペット、マリンバ……「魅惑の響き」はどう作られるのか?
楽器の個性を生み出す「倍音」とは?
音色を美しくする「共鳴」とは?
バイオリンの最重要パーツ「魂柱」とは?
楽器の素晴らしさを引き出すコンサートホールの条件は?
そして、プロが考える「最高の楽器」とは?
フランスで最も栄誉ある音楽勲章を最年少受章した著者が楽器の秘密を解き明かす!
〈もくじ〉
プレリュード──音楽は「五線譜上のサイエンス」
第1楽章 作曲の「かけ算」を支える楽器たち──楽器には5種類ある
第2楽章 楽器の個性は「倍音」で決まる──楽器が奏でる「音」の科学1
第3楽章 楽器の音色は「共鳴」が美しくする──楽器が奏でる「音」の科学2
第4楽章 「楽器の最高性能」を引き出す空間とは?──コンサートホールの音響科学
第5楽章 演奏の極意──世界的ソリスト10人が教えるプロの楽器論
※本書は、1979年刊行のブルーバックス『楽器の科学──角笛からシンセサイザーまで』(橋本尚著)とは内容が異なります。
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Posted by ブクログ
著者の語りがとても好みで一気に読んでしまいました。
吹奏楽部に入ってコントラバスが好きになって10年ほど、レコーディングを仕事にして4年が過ぎました。
周りの同世代よりは色んな楽器や音楽に触れていると思っていましたが、知らないことばかりですね。
知らない楽器の話しも、今まで知っていた以上の楽器の歴史も、分かりやすく、そしてそれぞれの楽器や音楽への愛のある語り口、読んでいて勉強になったし、楽しい本でした。
ホールの音響についての章もとても興味深かったですね。
高校ぐらいから、色んな視点からホールに関わってきましたが、さらに少し詳しくなれた気がします。
当たり前ですけど、様々な職人技が詰まっているんですね………
自分が働いている、一番馴染みのあるスタジオの音を生み出している職人技についても、もっと勉強しなくてはいけないなと思いました………
Posted by ブクログ
専門家が読むと物足りないかもしれないですが、私レベルの者が読むと軽い読み物として楽しめました。
楽器だけではなくホールの音響についても章が割かれていて、むしろそっちの方が勉強になったかもしれません。
Posted by ブクログ
マリンバのプロ奏者であり作曲家としても活躍し、かつては慶應義塾大学で作曲を教えていたことから在日24年目を迎える著者が、楽器やコンサートホールがあんなにも素晴らしい響きを持つのはなぜか、という点を科学の観点から解説した講談社ブルーバックスの一冊。
いわゆる音響学をベースにしており、部分的に聞いたことがある知識もあったが、まとまった知識を身に着けられる点でなかなか面白い。特に個々の楽器の特性についてはある程度見聞きしたことがあったが、コンサートホールの音響学については不勉強であったため、いかにコンサートホールの音響が難しいのかを実感させられた。同時にこの知識を元に、国内にも多数ある優れたコンサートホールに行くときはその比較などができれば、さらに楽しめそう、と感じた。