あらすじ
お日さまポカポカなジャズの調べ、「明るい表通りで」が流れる甘味処で出会った二組のふたご。おたがいを支えていた小5のマキとカツラだったが、おばあさんのまりえりと関わり、しだいに心が前に進んでいく。
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
ジャズの調べ「明るい表通り」が流れる甘味処「さるも木からおちる」。そこで、小学5年生のふたごと、二人組のおばあさんは出会った。2年前に両親を失った少女たちと、50年前に双子を亡くしたおばあさんが抱えた喪失の悲しみは、温かい交流の中で癒されていく。
互いに支え合いながらも思い出を半分ずつにしていた槇と桂が、悲しみを乗り越え、思い出を足し合わせていこうとする姿が素敵だった。ジャズ「明るい表通り」が物語の底にずっと流れているようで、悲しみの中にある人をやさしく励ましてくれる、温かい物語だった。
「同じだった。
まりあちゃんにも、なくしたものがあった。泣きながら、なくしたものを想い続けていた。そして自分で自分のことを、ばかみたいって思っていた。」
Posted by ブクログ
小学生の双子(マキとカツラ)と、おばあさんの双子(まりあとえりあ)。
どこか陰のあるマキとカツラの抱える過去と、双子ということ以外は謎なまりあとえりあ。
少しミステリ要素も入りつつ、二組の交流の中でだんだん打ち解けあっていく様子が微笑ましい。
マキとカツラの過去は到底乗り越えられるものではない、厳しいものだけど、家族でも他人でも、誰かを支えたり支えられたりしながら生きていく大切さが描かれている。