あらすじ
写真に携わるようになって30年以上の時間が経った。(中略)本書では、「撮る者」として、長く写真に関わってきた体験から生まれたことを中心により具体的に語っていきたい。さらに写真教育に携わるようになって感じたことについても触れたい(「はじめに」より)。初心者からプロまで。今こそ考えたい「いい写真」とは? 人物を、風景をどう撮るか。自分の「思い」をどう伝えるか――。著者初の写真論!
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Posted by ブクログ
東京都写真美術館のショップで見つけて。
例えば犬を撮った写真でも、いわゆる写真家とただの愛犬家の撮った写真とは、何かが違う。その訳を知りたくて読んでみた。写真のノウハウ本ではなく、作品としての写真を撮るための心構え、マインドセットを教えてくれる。
面白かった。
Posted by ブクログ
出会えて良かった。写真にとどまらない、物事を極めていく「道」のあり方について、第一線で活躍しながらも、悩み続ける素敵な写真家による本心の一冊。
「わからない」が減っていくのではなく、増えていくからこそ、道は深まっていく。不安の中に希望を見出し、誠実に腕を磨いていくことの大事さを脳裏に叩きつけられる。
本書で紹介される「どうしたら写真を撮る者になれるのか。それは、写真よりも好きなものを持つことができるかどうか――。これに尽きると思う」 的な意味合のセリフは、そのまま、あらゆる表現に当てはまる。写真家は写真を、コピーライターは言葉を、クリエイティブディレクターは制作物全般を、それ自体ではなく、何か別の好きなもののために、使い果たさなければならない。そんな当たり前の、がしかし、表現者誰もが忘れがちな芯を、取り戻させてくれる。
Posted by ブクログ
いい写真とはなにか
いい写真家とはなにか
小林さんの考える写真についての考えがわかる本
プロのカメラマンがカメラや写真について等身大に考えを書いてくれるのは、これから勉強する人の安心になると思う
Posted by ブクログ
写真を撮るという、言語化できなさそうなことがわかりやすく書かれている。また、天才肌と言われている写真家がどう考えているかの推論は参考になった。
もちろん、得た新たな価値観で写真撮影のヒントにもなった。
Posted by ブクログ
この書籍でいう写真とは「写真作品」という意味合いがほとんど。作品としての写真とはどうあるべきだろう、という問いに対して「わからない」、つまり、「決まったものはない」、ということ。たかがシャッターを押した瞬間の記録である写真ではあるが、何かを伝えたい、という明確な「意思」を持った写真があるのは事実で、意思の主体は写真家である。写真家はその意思を写真を通してどうやって伝えていくのか、そこに初めて、撮影のテクニックやテーマの選び方、といった方法論が生まれていく。表紙帯にある「いい写真」とは、鑑賞者側からすれば「伝わってくる写真」であり、写真家にとっては「伝えることのできる写真」ということだ。それについての著者が現場で得てきた体験的方法論であり、写真を撮って、撮るだけでなく、作品として発表しようとしたことがある人には面白いと思う。