【感想・ネタバレ】死亡告示 トラブル・イン・マインドIIのレビュー

あらすじ

ドンデン返しの魔術師、第三短編集。レギュラーキャラも登場する豪華上下巻の下巻が炸裂!
リンカーン・ライム、キャサリン・ダンス、コルター・ショウら看板シリーズの長編はもとより、短編の名手でもあるディーヴァー。「このミス」2位となった第一短編集『クリスマス・プレゼント』、第二短編集『ポーカー・レッスン』は、それぞれ「Twisted」、「More Twisted」なる原題どおりのドンデン返しの連打で読者を驚愕の渦に巻き込んだ。

8年ぶりの第三短編集はさらにパワーアップ。レギュラーキャラクターが総出演で暴れまわった上巻から一転して、この下巻では普段のディーヴァーとはちょっと違うスーパーナチュラル、オカルトめいた怪しい雰囲気の漂う作品も。そしてまさかまさか、リンカーン・ライム、死す――!?

ファンだった作家の死に納得いかない、犯罪小説好きの刑事。「人間を悪に走らせる超常存在」と戦う心理カウンセラー。思わぬ難敵にぶち当たった尋問のプロフェッショナル軍団。一見事件性のない心中事件に挑む、内勤のオタクな「数学刑事」と無頼派剛腕刑事の凸凹コンビ。一癖も二癖もあるキャラクターたちが意外すぎる結末へ走り抜ける。
そして表題作では、下巻唯一のシリーズ・キャラクター、ライムの「死亡告示」が公表!?

ことこの短編集に限っては、「正義は勝つ」とは限らない。
「あなたがこれから目にするのは、あなたの予想を裏切るものばかりであるはずだ」(著者)
人騒がせ(トラブル・イン・マインド)な連中の企みに翻弄される快感、徹夜必至の読書体験をお約束します。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

 ニームは人の本能の名残だ。のちにホモサピエンスとなる生物の心理的構成の一部で、生存に不可欠なものだった。初期の原人には、現代なら悪とか、犯罪と認識されるような行動が必要な場面がたびたび訪れた。つまり暴力に訴えたり、怒りや衝動、加虐的な気分、欲に屈服したりせざるをえない場面があった。しかし共同体が生まれ、発展するにつれ、そのような有害な衝動の必要性は薄れた。共同体を治める機関や軍隊、警察機関が、生存本能がそれまで果たしていた役割を引き継いだ。暴力や怒りなどの負の衝動は、不要になっただけでなく、共同体の利益違反するものとなった。

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2023年06月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「カウンセラー」…ちょっと超自然的でした。若干後味が悪いです。
「死亡告示」…リンカーン・ライムシリーズ。一瞬ドキッとはしましたが、彼らなら犯人を炙り出すのにこの程度のことはやりかねないと思ったら案の定。ある意味これまでの彼をダイジェストに振り返ることが出来ました。懐かしい。そして『石の猿』を思い出して切なくなりました。
「永遠」…読み応えありました。数学オタクっぽい刑事とベテラン刑事のコンビ。シリーズ化しても良いのではと思いました。

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2022年07月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ジェフリー・ディーヴァーの短編集だったので。

リンカーン・ライムは前にも死んだふりをしたことがなかったけ?
という訳で、タイトル「死亡告示」にはだまされなかった。

面白かったのは、数学の天才刑事のお話。
統計上、病気を苦にして心中する夫婦にはあてはまらない「外れ値」だという
新たな切り口で心中事件を調べ始める。
捜査の手順がまったくわかっていないのに、
突き進んでいくのには笑えた。

「本物」の刑事からは馬鹿にされていたが、
最後には相棒になるし、射撃の腕は披露するし、
無事事件で知り合った女性とデートもできそうだったが、
それもこれもアシスタントの応援があってだと思う。

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2022年06月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

リンカーンの短編目当てに読み始める。


プロット
高名なミステリー小説家プレスコットが、自分を死んだことにしたくてトリックをはるがファンであるポリスに見破られる
小説家が自身の名を捨て、自分の実力で詩人として勝負したいということを聞いてポリスはプレスコットを見逃すという


カウンセラー
善良と思われたカウンセラーが実はマッドなカウンセラーだと思ったら、マッドはマッドでも論理的な計算高すぎるマッドでさいごはどうなるのだと思ったら、なるほどやっぱりなという話


兵器
表向きは政府と関わりのない組織だが、実は諜報部として動いている。今回の任務もアメリカを救うため、非合法な手段を使ってターゲットを追い詰めなければならない……と思っていたら、実は自分たちが政府にはめられていたという話。
政府はこの組織が不要になったのだ
とりたてて語ることはない



和解
家庭を顧みなかった父親は実はギャング組織の暗殺者だった!
と語る息子自身も暗殺者だったという話
普通の営業マンが父への思いを引きずりながら故郷に立ち寄り、真実を知り、「父は家族を巻き込みたくなかったのだ、無関心を装いながら実は息子である自分のことを……」と思わせて、奇しくも息子は父と同業者になっていた。
意外といえば意外だが、惹かれるものはなかった



死亡告示
リンカーンの短編。
犯人をおびき出すために、リンカーンが死亡したという喧伝しまくった


永遠
これは中編のボリューム。読み応えがある
数学に強い異色の警官がとある事件に違和感を覚え、途中から典型的なアメリカン粗暴ポリスとタッグを組む。
「えっ、あの人が犯人なの?」と思わせておいて実は違うという、いつものパターンが何度も出てくる。
トリックというよりバディものとして楽しく読めた。数学警官は有人もたくさんいるしデートもするしスポーツもする、射撃もする有能な人。粗暴警官も実は……というのもありがちだけどそれが良い。

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2025年07月04日

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