【感想・ネタバレ】痴呆を生きるということのレビュー

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Posted by ブクログ 2013年10月23日

※法改正により「認知症」が正規の名称とされているけども、やや古い本なので、タイトルまま。

認知症の妻と過ごした作家 耕治人(こう はるひと)の三部作や、認知症を患った本人クリスティーン・ボーデンさんの著作も深くとり上げて解説しておられる中で、外部から観察した認知症に焦点を当てるだけではなくて、彼ら...続きを読むの中に入っていこうとする試みがみられる。
その上で、認知症を患う方をどのように見て、どのように接していけばよいかといったケアに関る提案もあり勉強になる。
これは、認知症に限らず、医療全般においても、あるいは社会生活全般においても重要なことかもしれない。

徘徊やモノ盗られ妄想といった、いわゆる周辺症状に多くの頁が費やされているが、どのようにそういった症状を考えていくかという点は非常に重要だと思う。
その反面、あまりできていないことなのではないかと感じることもあるし、反省もある・・・。

各章の扉には、認知症を患う方の写真が掲載されている。これをみても、著者の人間に対する愛着が感じられた。

終章において、著者自身が、癌を宣告されていることを打ち明けられているが、どことなく清々しさを感じた。
(※著者は2008年逝去)
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【内容(「BOOK」データベースより)】
痴呆を病む人たちは、どのような世界を生きているのだろうか。彼らは何を見、何を思い、どう感じ、どのような不自由を生きているのだろうか。痴呆老人の治療・ケアに二〇年以上携わってきた著者が、従来ほとんど論じられてこなかった痴呆老人の精神病理に光をあて、その心的世界に分け入り、彼らの心に添った治療・ケアの道を探る。
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【目次】
第1章 痴呆を病む、痴呆を生きる
第2章 痴呆を生きる姿
第3章 痴呆を生きるこころのありか
第4章 痴呆を生きる不自由
第5章 痴呆のケア
終章 生命の海
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Posted by ブクログ 2013年01月02日

痴呆の周辺症状である妄想。女性に多いのが「もの盗られ妄想」、男性に多いのが嫉妬妄想」。しかし、なぜ妄想なのか?痴呆が「発見」した破局を生き延びるための「妄想」の解説に納得。

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Posted by ブクログ 2012年05月24日

 「受容に至る過程に同道する」という小澤先生の肩肘はらない感じ(それこそが陰の努力の賜物にちがいないとは思うのですが)が好きで、これも読んでみました。
 
 二冊めなだけに感動はやや地味なものでしたが、先生がご自身の命の終わりが近いことを平静に受けとめられたことが、「痴呆を病む人たちとともに生きてき...続きを読むたことと、どこかで深くつながっているいるように思う」と言われていることに、先生の本物ぶりを感じました。

 

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Posted by ブクログ 2011年05月20日

[ 内容 ]
痴呆を病む人たちは、どのような世界を生きているのだろうか。
彼らは何を見、何を思い、どう感じ、どのような不自由を生きているのだろうか。
痴呆老人の治療・ケアに二〇年以上携わってきた著者が、従来ほとんど論じられてこなかった痴呆老人の精神病理に光をあて、その心的世界に分け入り、彼らの心に添...続きを読むった治療・ケアの道を探る。

[ 目次 ]
第1章 痴呆を病む、痴呆を生きる
第2章 痴呆を生きる姿
第3章 痴呆を生きるこころのありか
第4章 痴呆を生きる不自由
第5章 痴呆のケア
終章 生命の海

[ POP ]


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[ 関連図書 ]


[ 参考となる書評 ]

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

司法書士の仕事で、成年後見業務というものがあり、認知症の高齢者の方と接する機会も少なくありません。
この本は、認知症を発症された方の心の葛藤、ゆらぎというものが書かれていて、認知症の方とどう接していけばいいのかというヒントを与えてくれます。

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Posted by ブクログ 2021年08月17日

知識で得た周辺症状のことが、よりふかく
理解できたように感じる。
母が認知症でもうすぐ、在宅での生活をともにする。
「この人となら、今、ここの場所(自宅)で
生きてもいい」って
安心していられるようにしたい。

そのためには
「相手の心根を汲む」というケアをし、
「からだの表情を読む」ことをしながら...続きを読む
母の生活世界を黒子に徹して
支えたい。できるのか不安は大きいが
著者に知恵と後押しをいただき
少し勇気がわいた。
なによりひとりでかかえないようにして
「だいじょうぶ」とはげましてくださったようだ。

こういう方々のおかげで
介護が進化し
人が尊厳をもって生きていける時代に
なってきたのだな。
心から感謝したい。

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Posted by ブクログ 2013年01月20日

痴呆について、ただのボケている人が皆痴呆なんだと思ったら全然違っていた。
難しいことは書いておらず、読みやすく、すらすら頭に入ってくる。
最初から最後まで丁寧に説明されているので多分退屈せずに学ぶことが出来ると思う。

痴呆を病んでいる人達はただ「痴呆を病んでいる」ことだけが
私達と違うだけであり、...続きを読むその他は何も変わらない、私達と同じ人間なのである。
大事なことを改めて再確認出来て良かった。

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Posted by ブクログ 2010年09月23日

著者の人間性がとてもよく現れていて、やさしく、穏やかな文章。
分析は的確で、とても理解しやすい。
痴呆を治癒するのではなく、痴呆を生きるという意味がとてもよくわかった。

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