【感想・ネタバレ】「組織力」の高め方のレビュー

あらすじ

欧米型成果主義をはじめ、“直輸入の経営理論”が企業の現場で大きな不協和音の原因となっている。一方、現在好調を維持している企業の多くは、トヨタやキヤノンに代表されるように、独自の行動文化を変えるのではなく、むしろ強化する方向へと歩んだ企業である。日本企業の独自の行動原理を理解せず、単に机上の空論だけを適用しようとした企業こそが罠に堕ちたのではないか。この視点から、著者はまず、日本企業が今現在おかれている隘路を描きつくし、続いて日本企業の行動原理はいかなるものかを明らかにしていく。そして、組織力を高める方策として、4つの“人の集まり”に着目する。この4つが有機的に結合し、運用されるとき、日本企業は、本来の姿を取り戻し、最強の「塊」のごとき組織へと高まっていくのである。今こそ日本企業は自らの強みこそを伸ばすべき時!迷いを晴らし、勝ちを生む、新しい日本的経営への戦略を提示する画期的な一冊である。

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Posted by ブクログ

 経営コンサルタント水島温夫氏による組織論。場、サークル、チーム、グループの4つの違いを踏まえた組織マネジメントの必要性については合意。日本企業が欧米流のマネジメントを表面だけ真似るだけでは勝てないという指摘についても合意。
 しかし、欧米スタイルと日本スタイルと言う二元論に基づき日本企業は日本らしさを活かすべきという主張はやや安直過ぎると思う。BCG出身の三枝匡氏は「V字回復」の中で欧米流マネジメントスタイルを提唱しているが、水島氏の「組織力の高め方」は三枝氏のそれと方法論はほぼ同じである。
 日本的スタイルとか欧米的スタイルといった議論から入っても思考停止を引き起こすだけで、真の組織力は得られないと思う。パターン化された方法論ではなく、各企業の「らしさ」とおかれた環境を前提にした独自解を見出さなければ経営上の成果もなく、組織も存続できない。
 本書の価値は否定しないが、本書の方法論を形だけ実践しても、あまり効果はないような気がする。真の答えは自社の中にしかない。

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2012年05月31日

Posted by ブクログ

組織に関する、日本と欧米の違いを示しながら、日本はどうすべきかという提案。塊という表現で、集いを定義しているのは興味深い。ただ、各社ごとに適用してみると、結局は個別に仕事をどう進めていくか、ということが大切ということに行きつくはず。

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2011年10月15日

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