あらすじ
私立探偵だった夫が事故で死んで二年、残されたのは未払いの家賃とリボルバーと調査資料、そして苦い思い出だけ。失意の底から立ち直った笹野里子は、探偵事務所を再開する――。実業家の孫娘をめぐる陰謀、不思議な行動をとる美人女優の素行調査、ホステス殺しの真相、そして過去の夫の調査が呼び起こした殺人。四つの事件に里子は挑む。アドバイザーとして山浦歩(ふーちゃん)も登場する、『月夜の晩に火事がいて』と対をなす傑作。直木賞作家・芦原すなおが描く衝撃のハードボイルド・ミステリ『ハート・オブ・スティール』を改題。
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Posted by ブクログ
最高! 好みの1冊に久々のヒット。
女性私立探偵のハードボイルドもの。短編が4作。
解説の方によると、これまでの日本ミステリで「女性私立探偵ハードボイルド」というのはほとんどなかったそうだ。だからこの『雪のマズルカ』の登場には、思わず諸手をあげて「これよ!」と叫んだという。同感。
著者の芦原すなおさんの作品は、『ミミズクとオリーブ』や『嫁洗い池』などを読んできた。専業主婦が、持ち込まれた事件の話を聞いただけで謎を解いてしまう。あとは美味しい料理を食べる、という軽めの安楽椅子系ミステリだった。
ところが本書では、作風がガラッと変わる。夫の死をきっかけに、保母を辞め、私立探偵になった笹野里子。現在41歳。気に入らない依頼者にはお帰りいただく主義。ジムで格闘技を習い、部屋では4キロの鉄アレイで鍛えている。仕事にはリボルバーを携帯し、いざとなれば躊躇なくぬく。迷わない。そんな具合でストレートにカッコいい。テンポよく、スピード感ある展開。主人公の心の葛藤も適度に織り交ぜ、ほど良い固さに茹で上がっている。
続編はあるのか? ぜひ読みたい。
Posted by ブクログ
探偵小説だからミステリなのかもしれないけど、ミステリというよりハードボイルド。
かなり沸点が低い女性が主人公の話。
あんた、何をやって暮らしているの? と訊きたくなるのは探偵物全てに共通するのかもしれないが、全編を通してキャラクター性は悪くは無いと思うものの中途半端感が漂う。
多分、この話って女性向けっていうより男性向けに書かれているんだろうと思われる。それでいて、女性っぽい淡泊感が漂っていて今一突き放した視点で読んでしまう。
それでいながらも、のめりこまされる話の作り方の上手さがあって、理解できないまま最後まで読まされてしまう巧みさに驚かされてしまう。
Posted by ブクログ
探偵、笹野里子が主人公の4編の短編集。
サラリと読めるし、
情景描写もイメージしやすいし、
笹野のキャラクターも
そのキャラクターが織りなす会話のやり取りも
テンポよくするする読めてよかった。
笹野が躊躇なく撃ち殺した時はびっくりしたが。
他にもシリーズが出ているみたいだから読んでみようと思った。
Posted by ブクログ
つい最近、愛読していた『ピアノの森』が遂に最終回を迎えた。
日本人初のマズルカ賞。
ただそれが頭によぎったので読んだ。全然、全く、関係ないのだけど。
それでも、面白かった。
短編で1話読み切りみたいな感じで、テンポ良くて。
あっと言う間に読めた。(今、2冊目読んでるけど)
知り合い及び家族又は本人。
彼女の旦那のような最期は迎えたくないし。
知りたくない。
無理なこじつけよ。
ただの性癖が産んだ事故だと思うのだけど。
本当にあった○○な話の雑誌に投稿するくらいの最期だった。