あらすじ
「強くなりたい――」
弱さをかかえながら、ぶつかり合い手をさしのべ合って、生きる女たち。
「ガールクラッシュ」な女子プロレスエッセイのゴングが鳴った!
西加奈子氏推薦。
「この荒野で戦い続けることを決めた彼女たちに、ありったけの拍手と祝福を送りたい」
「私なんて結婚してないしお金も稼げない、みじめな女」
廃業しかけたライターがまた書けるようになったのは、女子プロレスのお陰だった。等身大で戦う彼女達が私達に与える勇気とは? 強くなりたい女のためのプロレスエッセイ。
【インタビューした女子プロレスラーたち ※登場順】
白川未奈、中野たむ、岩谷麻優、林下詩美、ジュリア、朱里、長与千種、彩羽匠、DASH・チサコ、橋本千紘
【目次】
はじめに「本を1冊出せたら、死んだっていい」
■第一章 「女の幸せ」とプロレスと
・「女の花は短い」と言われるのがすごくイヤ――白川未奈(スターダム)
・これ、たぶん女の子だったらわかってくれるんだろうな――中野たむ(スターダム)
・自分が一番、最強ですね――岩谷麻優(スターダム)
■第二章 どんなときだって ずっと二人で
・結果を残しても、「ビッグダディ三女」。本当のわたしを見てもらえない――林下詩美(スターダム)
・でも、「わたし、負けない人間じゃん」って強く思った――ジュリア(スターダム)
・だれよりも実力があるのは、わたし。認められない悔しさ――朱里(スターダム)
■第三章 ロード・トゥー・かつて女を魅了した女
・引き込みます。世界に引き込みます。――長与千種(マーベラス)
・あの時代に近づきたいという気持ちが強い――彩羽匠(マーベラス)
■第四章 仙台の強い女たち
・いま全力でいかないと、いつどうなるかわからない――DASH・チサコ(センダイガールズプロレスリング)
・一番大切なのは、素直になること――橋本千紘(センダイガールズプロレスリング)
感情タグBEST3
雨宮まみさんが大好きで、いつか彼女が愛してやまなかった女子プロレスを観たい……と思い幾星霜、日々にかまけて観そびれていた私でしたが先日ついにSTARDOMを初観戦。
個性あふれるたくさんのレスラーたちに大興奮、特に中野たむさんのめっちゃ可愛いベビーフェイスなのに様子がおかしいところに魅了されました。
とにかく女子プロレスに関する本が読みたい!読ませろ〜!と思って手に取ったのがこの本です。
たむさんのインタビューはもちろん、
今もSTARDOMを支える主力選手、そしてSTARDOMを去ったけれどその歴史に大きな爪痕を残したレスラーの剥き出しの言葉がいっぱい。
著者さんのプロレスという大きなかたまりに体ごとぶつかるようなテンションも良かったです。
同世代で経歴もまあまあ近い女として
共感ポイントは結構あったんですが、
年下の仕事相手に余計なお世話なLINEを送りつけるシーンは「やめなよ………!!!!」と真顔になりました。
Posted by ブクログ
面白かった。尾崎さんと黒田さんのバディ物としても読めたうえにインタビューも各キャラクター(と素の部分)が伝わってきてどの選手も好きになってしまう。これだけたくさんの本が出版されているが、実際に1冊でも本を出せる事が簡単ではないと知れたのもまた良かった
Posted by ブクログ
面白くって一気に読んじゃったー!10人の選手へのプロレスにかけるアツい思いを感じてまたプロレス見たくなってきた〜特に推しのDASH・チサコさんとちゃんみなこと白川未奈の話が大好き!
Posted by ブクログ
女子プロレスどころか、プロレスも観たことはないが、書評で興味を持った。定期的に興味がないことについての本を読むようにしているが、この本もその一貫。堅めの本でプロレスの喩えが面白かった「論理学バーリトゥード」の影響。
縁遠い世界に飛び込んで活躍した人が、どういった経緯で入ったか、どう思ったかは刺激的。話の九割は知らなかったが、話はなんとなく理解でき、面白いんだろうなと感じた。
売れた本の二作目とのことだが、こちらだけ読んでもいいと思う。
プロレスは抜きにして、女性の家族の気持ちが気になる人にもいいと思う。
Posted by ブクログ
プロレスファンとして有名な言語学者の川添 愛さんお勧めの一冊。プロレスに興味がない人には次々と続くインタビューがやや退屈な感じと、文脈を理解するのが少し難しい気がします。こういう世界もあるんだなぁとゆるゆると過ごす時間に向いています。
Posted by ブクログ
本書でもたびたび言及されている「1985年のクラッシュ・ギャルズ」は確かに名著でした。長与千種、ライオネス飛鳥の二人に加えてファンからライターになった伊藤雅奈子という三人目の主人公を設定したのは大発明でした。女子でプロレスをやる人、女子でプロレスを見る人、女子と女子プロレスを取り巻く社会、そのそれぞれの戦いこそが女子プロレスなのである、ということを描いていたように思います。その第三者パートが異常に肥大したのが本書であると感じました。柳澤健の「1985年…」にインスパイアされまくった、めんどくさいライターとめんどくさい編集者が前景に出まくっていて、ものすごくめんどくさいやり取りが繰り広げられています。そのめんどくささはプロレスを飛ばして女子と社会のめんどくささのドキュメンタリーってことなのかもしれません。そのめんどくささから照射される光で描かれる女子プロレスが今の時代の女子プロレスってこと?とか一応、受け止めてみました。1・4ドームでも新日とスターダムが提携しているらしくIWGP女子選手権試合が行われたとのこと。スターダムの選手はポスターなどでの露出も増えているのですが、そのビジュアルの裏側の感情に本書は肉薄できているのか、どうかわかりませんでした。ただ本書を読んでYouTubeで検索されるスターダムの試合映像を視聴して、その軽さと明るさが1・4のオンエアされた男子の試合に似ていて、男のプロレスの模倣からスタートした女子プロレスが、男子のプロレスに模倣されているのか?みたいな妄想をいだきました。