あらすじ
難局への対応から家庭での素顔まで
維新の指導者像を語る貴重な証言集
維新の立て役者、大久保利通の実像を伝える証言集。明治43年10月から新聞に96回掲載、好評を博す。討幕、新政府樹立、近代化への政策施行、西南戦争……。政治家としての姿から西郷への思いや家庭での素顔まで、興味深い秘話、逸話、情味溢れる憶い出が語られてゆく。強い責任感、冷静沈着で果断な態度、巧みな交渉術など多様で豊かな人間像がゆかりの人々の肉声から蘇る。
本書は、大久保利通に身近に接した人々によって語られた、いわば肉声で綴られた大久保メモリーである。『報知新聞』の記者松原致遠が、それぞれの人物にインタビューして記事にまとめたもので、時には会話体で、時にはモノローグのかたちで、大久保利通についての想い出が語られる。……『報知新聞』には明治43年10月1日から(翌年4月17日まで)、全部で96回にわたって掲載されたものである。――<本書「解説」より>
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Posted by ブクログ
大久保利通がどのような人物だったかをインタビュー形式で当時を知る人々へ取材した内容をまとめた本。
大久保利通がなにをしたか、ではなく、どのような人物だったのかが、この本から想像出来、非常に面白い。
この本を読んでわかるのは、「非常に無口」「怖い(喋らない上、威風もあるので、たちが悪い)」「西郷隆盛との関係は凡人には想像できない程、強いもの」といった点だ。そんな中に家族とのふれあいなど、微笑ましいエピソードもある。勿論、亡くなった偉人、しかもその周辺の人々なので、そんな悪いことが書かれることはない。が、実は禿を気にしていたなどといった本人知ったら怒るんじゃないかしら、という細かい話まで満載。
木戸孝允との違い、木戸孝允は議論しながら自分の方針を織り交ぜるに対して、大久保は承認したら口を出さず、ただ責任を取る、という手法。非常に興味深く、どちらが優れているというわけでもないが、性格なのだなと思う
西郷隆盛のことを分かるのは自分だけ、という言葉を子供に残し、それを文章にするつもりだったが、暗殺されてしまった。それを語る次男の姿が目に浮かぶ