【感想・ネタバレ】死の医学(インターナショナル新書)のレビュー

あらすじ

『怪談に学ぶ脳神経内科』で、読書界を驚愕させた詩人にして脳神経内科医が、今度は「臨死体験」「体外離脱」といった、かつては「語ることすらタブー」とされた現象に挑む。そこで見えてきたのは、人生最後の瞬間を迎えたときに脳や神経細胞がどのようにその苦しみ、痛み、悲しみに立ち向かうかという、感動の物語だった!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

引用
「『最後のあり方』を家族と共有すること
 元気なうちから、人生の最終段階における医療に対してどのような希望を持つかを考え、表明すること、家族と共有していることを、アドバンス・ケア・プランニングと呼ぶ。
 根本治療の対象でない臨終間際の救急搬送は、無駄に苦しみを負う上に、治癒の見込みがないまま医療費もかかってしまう。必要な医療を誰もが受けられるよう、過剰な医療は受けたくない、受けないと言う当たり前のことを誰もが納得して選びとることができれば、国の財政も医療資源も、それから人生の最終段階における苦痛や恐怖も、大いに改善が期待できる。
 瀕死の状態で治療の限度を自ら決定する事は、現実的には難しい。患者さんの家族としても苦しそうな本人の姿を見れば、「できることをすべてやってください」と希望するのは自然な心情である。本人や家族が「戻る見込みがないなら人工呼吸器の使用開始はやめてほしい」と意思表示しない限り、病院に救急搬送されれば現代医学の全力が尽くされる。気管切開をしての人工呼吸器を装着すると24時間体制で痰の吸引を要するため、自宅療養が長くなると家族の疲弊が極限を超えてしまう。
 だからこそ元気なうちから、向き合うのも辛い死の問題に対して、あえて向き合って決めておくべきなのだ。」

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2022年07月09日

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