あらすじ
いま世界では、パンデミックの混乱がつづくなか、ロシアのウクライナ侵攻や切迫する台湾有事、北朝鮮のミサイル発射など、物騒なニュースがたえません。なぜこうした問題が起きているのかを考えるとき、さまざまな解釈の方法があるでしょう。
「地政学」とは、地図をもとにその国の政治や軍事を考えていく学問です。軍事理論でもあるため、戦後の日本では封印されていました。
地理というのは、時代が変わっても変わりません。ですから、変わらない地理をもとにすることで、それぞれの国や地域がとる戦略というのは自ずと決まってくる、と考えられます。となると、いくら世界情勢が混沌としてきても、その国がとるべき一貫した正しい戦略があるはずだ、となります。地政学ではこう考えるわけです。
混沌として先の見えない時代です。だからこそ、普遍的な知である地政学的視点をもつことが大切です。それによって、より自信をもって世界と向き合うことができるはずです。 (「はじめに」より)
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Posted by ブクログ
地政学に興味を持ち、2冊目に読んだ本。「いちばんやさしい…」と書かれているが、正直、私にとっては決して”やさしく”はなかった。1冊目の本でベースとなる知識を少し入れていたので、多少は理解できたが、文庫本とは言え、読み終えるのに少々時間がかかってしました。それだけ内容が濃いともいえるだろう。地形に基づく解説はもとより、地理的条件がもたらした歴史的背景についても、非常に興味深く書かれていることは特筆すべき点だと思う。ウクライナ情勢についても加筆されており、まさに今世界情勢を理解し、パワーバランスや、各国の動向を知るのに役立つ一冊だといえる。
Posted by ブクログ
2022/4/25
池上彰さんの本に通じるものを感じました。
最近、改めて注目されている地政学という学問の側面から、世界の主要な国や地域をはじめとした色々な場所の地理的条件からその政策や行動の意図を考えていく内容になっていますが、歴史的事実と照らし合わせても、とても地政学での考え方がすとんと理解できるなと思います。
戦後の日本やドイツなど敗戦国では封印されていた軍事戦略に使われていた学問だとありましたが、自分達の国の地理的条件をしっかりと理解することが、国としてこれからどのような行動を取るべきなのか、外国とどのように関係性を築いていくべきなのかを考えるとてもいいきっかけになる本だと思いました。
一読だけだと膨大な知識量になるので、また部分的に読み返したりしながら、地政学の導入として活用していきたいなと思いました。
Posted by ブクログ
各国の戦略が分かり易く書いている。特に米中ロの視点から立って、各国の戦略が分かる。中東問題は大国の意図が反映されており、複雑だから個別で勉強したいところ。
また、日本もよく取り上げられる米中との関係だけでなく、その他アジア諸国とのバランスもわかった。
Posted by ブクログ
高校の社会で地理を専攻した。地図を見る事が好きだという理由で、受験にも不利だった。
後に外国語を勉強していたら、世界史を学びたくなった。
自分の中でまとめた地政学とは、地理と世界史を混ぜた物という認識。これに経済を足したものの授業を受けれたら、面白そうだと思った。
ついつい戦国時代とか、剣の時代ばかりに目を向けてしまうが、近代もなかなか興味深いものである。
と、感じさせる本。
入り口には良いと思います。
Posted by ブクログ
かなりやさしく書かれているので、地政学初心者にぴったり。
ロシアとウクライナ関係の本を読みたいと思っていたら、この本はウクライナ侵攻まで載っているので、買ってみた。とても最新。
国の位置、周りの情勢、歴史、宗教、民族、色んな問題が絡み合って、今の状態になっている。
トランプ元大統領は過激なイメージだったけど、地政学的には地政学的にはとても的を得た戦略的なことをやっていたのだと今更、理解した。
日本についての解説はほぼなかったけど、日本が今どういう状況に置かれていて、どうしたらいいのかきちんと考え直していきたい。
何度か読み直したい。