あらすじ
平川理恵 広島県教育委員会教育長
結局、誰のために、何をやっているのか、なんですよ。教育委員会の仕事のすべては、子どもたちのため、ですよね。だから、それを問わないといけないと思ったんです。それは本当に子どもたちのための仕事ですか、と。
安宅 和人 慶應義塾大学環境情報学部教授/ヤフーCSO(チーフストラテジーオフィサー)
胸にグサグサくる言葉の連打。変革に興味のある人も、価値ある未来を生み出したい人も、教育・人づくりとは何かについて考えたい人も、みんなこの一冊をまず手に取るべき。
西山 圭太 東京大学未来ビジョン研究センター客員教授/経営共創基盤シニア・エグゼクティブ・フェロー
DXとAIが決定的な変化を起こす時代。その未来につながる教育とは。リーダー次第でそれはいま実現可能だと示す。経営者や人事担当者にも推薦の書。
公立校だって、やればできる!
民間女性を教育長に招請 ――教育のカルチャーを変える
「異学年集団」による学習 ――学びの選択肢を増やす
国際バカロレア認定校 ――突き抜けた学校を建てる
専門高校をアップデート ――地元を担う人材を育てる
図書館をリニューアル ――子どもの意欲が高まる
内申書の見直し ――子どもを縛り付けない
スペシャルサポートルームの設置 ――不登校を減らす
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
最近よく問題になっている日本で主流の一斉教育。自分もそれを受けた1人として疑問を常に持ちながら生活してきた。
平川さんの創った広島叡智学園は他の取り組みとはかなり異なっていた。今まで自分は教育に携わりたいと思い、教育現場の学校というものを変えたいと思っていた。しかし、平川さんにはその視点ではなかった。学校を教育現場として生徒を教育する場としてではなく、教員も教育していた。広島叡智学園は公立という特徴を生かして、6年で先生がほとんど入れ替わる。それは良い点も悪い点でもある。優秀な人材を失うことで学校は安易に傾くし、物置だった教員を他の学校に飛ばすことで膿を放出できる。しかし、平川は完全なるメリットとして考えていた。広島叡智学園で育った教員を他の広島県の学校に行かせることで、一斉に広島県内の学校を変えることを企んでいた。教員の養成場としても生徒の養成場としても素晴らしい学校だ。
アメリカの公立高校に視察いくと先生を学ぶことを楽しくしてくれるベストフレンドと言った。
商業高校を仕方なくいく場所から志願していきたいと思わせるようにした。「ビジネス探求プログラム」では先生が教える授業ではなく、先生が教材を渡して、生徒が考える生徒主体の授業だった。今時はネットで知識を得ることが効率的にハイスピードでできる。しかし、チョークアンドチョークの授業では習得速度の異なる生徒を一斉に授業することでちょうどいい早さに適するのはきっと教室で1人。他は早すぎたり遅すぎると感じる。教科によってもそれは大きく異なる。知識を教えることが教育にはならない。先生はティーチャーからファシリテーターになる必要がある。
Posted by ブクログ
「人間を育てる」ことに主眼が置かれた広島県の教育改革が羨ましくも眩しい。
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公教育でこんなに面白く、意味のある学びができるんだ!実際にこんな学校があるんだ!と、読んでる間ワクワクしっぱなしだった。
この本を読むまで知らなかったのは、教育庁に平川理恵氏を抜擢した広島県知事の湯﨑 英彦氏の存在。
湯﨑氏が教育を変えなければという問題意識を持っていたから広島の教育改革が起こったんだということ。
ともあれ、平川さんの取捨選択(重要なところへの頑固さ)と、決断と行動スピードは超人的なんだろうな。
自分で通訳をしながら先生達をオランダやアメリカに連れて行った話や、若手と意見交換をする場を設けたこと(そして映画の感想を語り合う会というセッティング)、こういうリーダーに着いていきたいなと思わせるエピソード満載だった。
第4章の商業高校の子ども達の変化は読んでいて涙がこぼれたほど。
商業高校の教育が地域を良くすることに直結することが嫌というほど伝わる。
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p227から抜粋
「個人があって、組織があって、社会があって、その中で充実した人生を送っていくためには、自己認識、自己開示、自己表現、自己実現の四つのステップが必要なんです。
15歳までに身につけておいてほしいのは、自己を認識し、自分の人生を選択し、表現することができる力だと考えました」
Posted by ブクログ
生徒が主体になって学ぶ場である学校。その本来の姿にするための改革。今、学校改革が全国各地で広がっている。この広島でおきている改革はまだ始まったばかりかもしれないが、そのスピードは驚異的である。民間企業から校長、そして教育長になられた方が起こすその改革を間近でみてみたい。我が県も変えなければならないことがたくさんあると思うのだが…。
Posted by ブクログ
理念があることも大事だけれど、現場を見る、関係する人といろいろ話をする。あまりにも当たり前のことだと思っていたけれど、そうではないのだ。そんな中、それを実践した平川さんのスタンスは素敵だなと思う。
Posted by ブクログ
つくづく、
不祥事により改革が停滞したり
ましてや改革自体が否定されたりするのが
勿体ないと感じます。
教育には、
抜本的改革が間違いなく必要。
というより
そうでもないと間に合わない。
Posted by ブクログ
面白かった。確実に変化は起きている。
赤木かんこさん合理的だなー
PBLから始まる変化は、主体性だけにあらず。
平川さんの社会と照らし合わせながら考える目、大胆さや信念と細やかさ、大きな目的はぶらさない姿勢を見習いたい
Posted by ブクログ
旧態依然とした教育が今なお行われている。ITの進化によって、世の中が大きなパラダイムシフトが起こっているのにも関わらず。日本の学校制度は150年前の学制から大きく変化はない。資本主義、民事主義社会において変化はつきものであるから、それに合わせた教育が当然必要である。私も教育者の端くれとして、この本を参考に、少しでも未来の日本に貢献できれば良いと考えている。