あらすじ
●小説「幸せのままで、死んでくれ」
Author 清志まれ
水野良樹(いきものがかり)が、新たな筆名で覚悟の作家デビュー!
小説と音楽の同時リリースで贈る、かつてない物語体験。
●主題歌「幸せのままで、死んでくれ」
Song Writing & Vocal 清志まれ
Produce & Piano, Electric Piano, Organ 世武裕子
Drums 伊吹文裕
Bass 福井健太(People In The Box)
Guitar 永野亮(APOGEE)
Recorded & Mixed by 浦本雅史(Soi Co.,Ltd)
Vocal Recorded by 熊谷邑太
Coordinated by 杉本陽里子・村上由貴 (ondo)
Arrange 世武裕子・伊吹文裕・福井健太(People In The Box)・永野亮(APOGEE)
Produced by HIROBA
感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
私は不倫というものが大嫌いで、何故そんな損にしかならない行いをするのか。誰も幸せになれない、失うばかりの恥ずかしい行いだと考えています。
ただ、この物語に出てくる桜木だけは、嫌いになれそうにありませんでした。
倫理的に間違っているし、彼の行いはお世辞にも褒められたり同情していいものではないと思います。
でも読んでいてこの男が何も無い人間なわけがないじゃないかと、もっと良い方向に何か進めたんじゃないかと、ページをめくる度に悔しさと悲しさで心がごちゃ混ぜになるような感覚になりました。
清志まれ先生、とっても面白い作品でした。
Posted by ブクログ
回想しながら2人で焼き鳥屋で会話するシーンの三島の心の内の描写はテンポも筆致も的確で自分を投影してしまうほどリアルに感じました。
後半はやはり音楽活動がバックグラウンドである作者だからか、歌詞のようなテンポで桜木が死に向かう展開が描かれている。とても精緻に描かれていながらも、読み手の想像の余地を残す筆致が素晴らしい思いました。
桜木も妻も、それぞれの役割を全うすることが生きることが前提になっている人は孤独だろう、、と思っていたが、人はみな、多かれ少なかれ相手に役割を与えて期待しちゃっているんでしょうね。最後に愛する人に自分を知ってもらいたい、ありのままを愛してもらいたい、そんなわがままを愛する人に託すことができて、桜木に労いの言葉をかけてあげたい。相手のことを思うと、相手の残りの人生に負担をかけることをためらうかとしれないですが、もし自分に愛する人の最後に立ち会うことがあれば、その人のありのままを受け入れることができる自分でいたい、それが私なりの愛し方だと考えるからです。
総じて、自分の中の愛する気持ちが豊かになる物語でした。