あらすじ
発売即重版! 【孫正義、ピーター・ティール、モデルナワクチンの仕掛け人…世界の「キングメーカー」勢揃い】
「イノベーションの黒子役の真髄が書かれた貴重な一冊。すべてのビジネスパーソン必読」
──新浪剛史 (サントリーホールディングス代表取締役社長)
「シリコンバレーの秘密と真髄が描かれている。まさかこんなヤバい本が世に出るとは! 」
──孫泰蔵 (Mistletoe代表取締役社長)
「スタートアップ支援の世界最高水準に学べ! 」
──川邊健太郎 (Zホールディングス 代表取締役社長)
「世界を牽引するスタートアップ企業の成功の秘訣を、ここから我々も学びたい」
──田中愛治 (早稲田大学総長)
「学生、ビジネスパーソン必読。これが世界最先端のイノベーション支援の秘密である」
──伊藤公平 (慶應義塾長)
◆
ゼロイチで稼ぐ投資家たちの全手法、ついに解禁。
時に1兆円を超える巨額を投じ、
名だたるスタートアップ企業をリードしながら、
新しい産業を創り出す「キングメーカー」の
投資戦略とノウハウ、その全思考が明かされる。
◆
日本経済史上、最高の利益を叩き出したのは、
スタートアップ投資だった──
2020年3月期、孫正義が率いる
「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」が叩き出した、純利益5兆円(含み益込)は、
日本企業のあらゆる記録を打ち破った。
いまやスタートアップへの投資が、
国力を左右するキーファクターになっている。
グローバルの投資額は50兆円に達する勢いで激増し、
ユニコーン企業は、世界で1000社に届こうというスピードで増殖している。
新型コロナのワクチンを作ったモデルナ、
コミュニケーションの生命線となったズーム、
脱炭素のアイコンとなっているテスラ、
宇宙産業のフロンティアにいるスペースXまで──。
GAFAを始めとする巨大なスタートアップの裏側には、
彼らを「時代の覇者」に押し上げてきた、
知られざる黒幕がいる。
それが、スタートアップ投資を専門にするベンチャーキャピタル(VC)だ。
イノベーションの世界の舞台裏で、
ハイリスクハイリターンの投資を繰り返しては、
時には想像を絶するような利益を手にしてゆく。
アメリカだけで8000社を超えるVCの中でも、
トップ・オブ・トップの「超勝ち組」と呼ばれる、一握りの投資集団たちが、
長らくイノベーションの世界のキングメーカーとして君臨してきた。
いわば未上場の株取引市場は「独占産業」だったのだ。
普段、ほとんど表舞台に現れず、その実態は長らくぶ厚いベールの内側に包まれてきた。
そのエコシステムの中枢の秘密を解き明かすべく、
NewsPicksサンフランシスコ支局長を務めるジャーナリストの筆者が、
シリコンバレーで有数の投資実績を誇るSozoVenturesの協力を得て、
50人以上のVCの独占取材に成功、本書では30社38人のインタビューに集約した。
GAFAを始め、ズーム、テスラ、スポティファイ、スラック、セールスフォースなどを初期から支えてきた、
トップオブトップのベンチャーキャピタリストの全手法が網羅された、本邦初の書籍だ。
世界3位の経済規模を誇る日本から、
なぜ革新的なビジネスがなかなか生まれないのか。
日本が30年間、見落としてきたイノベーションの秘密を、
世界的なテクノロジー企業と巨万の富を作ってきた、
キングメーカーたちが教えてくれるはずだ。
◆
目次
●はじめに
イノベーションの「最後尾」に私たちはいるのか
勝者は決してしゃべらない
新時代は発明家と資本家(キャピタリスト)が動かしている
●1章 ベンチャーキャピタルが世界を喰っている
モデルナワクチンを生み出したベンチャーキャピタルの舞台裏
ユニコーン1000社時代、ベンチャー投資が加速する3つの理由
アップルはなぜ銀行から創業資金を借りれなかったのか
急成長するスタートアップの投資ステージごとのリスク
日本人が陥る、VCにまつわる2つの大誤解
●2章 進化し続けるVCの秘密
三菱商事を飛び出した男が、三菱商事より稼いだ日
100倍のリターンを生んだ、コインベース投資の「種明かし」
トップ1%が圧倒的な実力で寡占するVCの産業構造
リスクマネーを巡るVC産業のキープレイヤー
膨大なリサーチを伴うハードな投資プロセス
VC投資は究極のホームラン競争である理由
巨万の富を手にするベンチャーキャピタリストの動機
●3章 シリコンバレーのキングメーカーたち
ピーター・ティールが語る未来の創り方
シリコンバレーのカリスマ、少数精鋭トップVCの秘密
ズームを掘り出した、SaaS投資の王様
燃え尽きた天才に、スラックを作らせた男
金融を知り尽くした、ファイナンスのプロ集団
お金の世界を塗り替える、異端VCの正体
知財を操る、ディープテック投資の巨人
ヘルスケア投資のゴッドハンド
超名門VCの再建を託された男
●4章 異能のディスラプターたち
世界を震撼させた、孫正義「10兆円ファンド」の正体
モデルナを生んだ、ライフサイエンスの「創業集団」
「ダイヤの原石」を磨く、気鋭のアクセラレーター
シリコンバレーで最もパワフルな女性投資家
成功のシグナルを見抜く、データ投資のマジシャン
VCをディスラプトする、新しいVCの誕生
投資モデルを再発明する、VC業界のレジェンド
●5章 世界各地の覇者たち
スポティファイを生んだ、北欧のゲームチェンジャー
欧州を覚醒させた、起業家コミュニティの「グランドゼロ」
中国のユニコーン軍団をとらえた巨人
インドの「カンブリア爆発」を手にした野望
東南アジアのブルーオーシャンを制する賢者
インドネシアを圧倒する、創業投資のカリスマ
巨大な経済圏を作った、南米最大の投資集団
最後のフロンティア、アフリカ投資の破壊力
NPO発、世界の起業家ネットワークへの「マイクロ投資」
●6章 新産業をつくる革新者たち
E・マスクが惚れた「儲かる環境投資」の実践者
ビル・ゲイツが進める、気候変動投資の秘密
科学者をCEOに進化させるバイオラボ
女性から黒人まで、マイノリティに光を当てる新鋭VC
異文化に眠る、ビジネスを掘り出す情熱
●7章 ベンチャーキャピタルの「不都合な真実」
天才投資家たちの失敗の告白
VCへの出資は本当に「おいしい」のか
失敗ファンドと成功ファンドの唯一の違い
ファンドの7割が「3号」までに淘汰される意味
VCに必ず聞くべき5つのクエスチョン
ゼロイチに賭ける投資家に敬意を
おわりに イノベーションに秘密はない
[COLUMN]
唯一無二の実績を誇る、VC界の大樹「セコイア・キャピタル」の恐ろしさ
VCの起源、ハイリクハイリターンの捕鯨産業
賛否両論のメディア化するVC「アンドリーセン・ホロウィッツ」
グーグルが作った「異端のCVC」の3つのルール
スーパーキャリアとしてのベンチャーキャピタリスト
24時間以内に巨額投資をする「タイガー軍団」の正体
なぜハリウッドセレブが、スタートアップ投資に群がるのか
カリスマが率いるソロVCの台頭
じわじわと民主化する「夢のスタートアップ投資」
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
様々なベンチャーキャピタリストの活動がまとめられており、その活動を垣間見ることができる貴重な書籍。シリコンバレーのみでなく、ヨーロッパ・アジア・アフリカなど様々な地域、さらには社会課題の解決やマイノリティへの投資など主要な投資ターゲット先も異なる様々なベンチャーキャピタリストの活躍が紹介されている。またベンチャーキャピタリストが投資してきた様々なビジネスに関しても知ることができ、本書籍で紹介されているベンチャーキャピタリストの多様性と合わせて様々なビジネスを学ぶ良いきっかけとなった。
Posted by ブクログ
世界的企業の裏側にはいつもすごいvcがいる。gpはlpから出資を募り、10年で運用して、出た利益の20%程度を受け取る。vcの期待値は他の投資よりも低く、極一部の勝者だけが莫大な利益を得る。
ベンチャーキャピタリストに興味が湧いた。VC毎に専門分野以外にも色があり、人種、出身による差別化や、研究者によるgpだったり、VC自らがスタートアップを立ち上げることもあった。
Posted by ブクログ
世界中の30近いベンチャーキャピタルに対してインタビューを行い、彼らの成り立ちから実績、そしてベンチャー投資にあたっての考え方を紹介している分厚い本。ユニコーンになるスタートアップの横には必ずベンチャーキャピタルが存在する。その実態について深く理解できる1冊になっている。
またベンチャーキャピタルに投資する側としての話も最後に少し紹介している。
自信がファイナンスの一環でベンチャーキャピタルの活用を考えている人だけでなく、ベンチャーで働いている人にまでおすすめしたい一冊。
Posted by ブクログ
VC業界で働く方々の考え方や価値観が伝わってきて面白かったです。ピカピカの経歴を持つスーパーエリートたちが並々ならぬ熱量と行動力の下、リスクを取りながら、投資を通じた世の中の発展に向き合っていく様を見て刺激になった
Posted by ブクログ
シリコンバレーのベンチャーキャピタルSozoventures協力の下、ベンチャーキャピタル業界の産業構造や特性、業界の現実を説明した上で世界で活躍する30ものベンチャーキャピタルの投資家たちのインタビューをまとめた本。
日本ではベンチャーキャピタルと言っても会社がギャンブルをやっているようなものと捉えられがちだが、シリコンバレーを中心とするベンチャーキャピタル業界ではそれ自体産業と捉えられていて、その規模も2020年で3474億ドルだそうだ。(因みに日本は45億ドル)
もちろん上場企業に投資するわけではないのでその投資先の過半数は元本を割り込み、10倍以上のリターン案件は4%ほどというハイリスクハイリターンの投資で、勝ち組ベンチャーキャピタルはトップ1%しかないのであるが、その投資は決して運任せではない。
それぞれベンチャーキャピタルには各々の強みがないと生き残れず、例えばもと研究者でその研究分野の事業評価に強みを持つとか、ある特定の地域の消費者の嗜好や法律に通じているとか、人脈が豊富でサポートできるなどの強みを活かしてカネとしての投資のみならず営業面や知財面、技術面や法務面等のサポートを通じ元本10倍以上のホームラン案件を増やすべく努力している。
本書で取り上げている代表的な30のベンチャーキャピタルの特徴もSaaSやFintecに強いものから一流の科学者を集め、仮説を持ち寄り、創業のヒト・モノ・カネの段階から作り始めるタイプのもの、インド・南米など特定の地域に通じているタイプのものなど様々だ。
ただ、金融緩和が終わり、金利上昇の局面に入ろうとしていることや、米中対立やウクライナ戦争のように世界で分断が進んでいることなどを考えるとリスクマネーの供給もかつてほどには進まないようにも感じる。しかしながら脱CO2の問題が世界の課題となったり、IT革命に続くAIの革命で旧来型の産業が一部転換しつつあることもまた事実で、その点ではリスクマネー供給による社会変化が望まれる。
ただ、日本としてはこういったベンチャーキャピタルの役割を商社が果たしていたり、親会社の新事業として子会社を立ち上げてそれを親会社がサポートすると言ったような日本的なイノベーションも存在しているように感じた。
Posted by ブクログ
ベンチャーキャピタルの本。おもしろい。
世界的なvcに直接インタビューし、当時哲学が語らられている点は非常に貴重。
メモ
・vcファンド全体の65%が失敗に終わる。トップ%が利益の多くを独占
・共通点として独自仮設によって勝ちパターンを見出す再現性へのこだわり
・全てのトップvcに共通するのはスタートアップ創業者に価値提供するためのはっきりしたコンセプトがある点。ブランド、人脈、専門性、資金提供、アプローチが異なるだけ。
・ファネルの最上位は常日頃から目をつけている投資検討先4000-6000社。常にこれを更新続ける。トップ投資家の投資先を重要ターゲットとして加えたりする。1年で50者ほどタームシート提出。進めばDD。プロダクト成立の検証、初期ユーザーヒアリング、知財チェックなど。投資に進むのは10件ほど。
・元本100億に対し、10年で少なくとも200-300億になることを期待。年利12%以上が必要
・全体の64%は損失。10倍以上は4%にすぎない
・zoom投資。異常値とも言えるようなユーザー数増加。創業者に成功の根拠があった。
・シリコンバレーのベンチャーキャピタル御三家
セコイア、ベンチマーク、アクセル
・いかにエキスパートに出会うか。
・最高の投資は多くの人が最初はそれはどうかなと疑ってしまうようなもの。
Posted by ブクログ
VC産業の仕組みを知ることができる一冊。
各メジャーVCの概要を知ることができるが、虎の巻的なものではない。
ページ数が長く、中盤以降は似たり寄ったりの内容となっていて、間延び感を感じる。
それでも圧倒的な資金力で成長するベンチャーの仕掛け役としてのVCを知ることができる。
Posted by ブクログ
Venture Capital業界の最新動向と主要プレイヤーを網羅し、それらのキーマンの直接インタビューが掲載された非常に貴重で稀有な書籍である。そしてこうしたVC良書が、日経でもなくダイヤモンドでもなく、NewsPicks編集部から刊行されたというのが新しい時代の変化を感じさせて興味深い。VC業界はリーマンショック以降はヘッジファンド・投資銀行出身者が増えてPEに類似した「金融」の趣が濃くなった時期もあったが、本来VCと起業家は既存金融とは異なる一蓮托生のウェットな関係にある。一夜にして1,000億円の運転資金を確保したRibbit CapitalとRobinfood、取締役就任をVCと一緒を条件としたVenrockとIllumina 10x Genomics、パートナーからの馘予告の誤転送をバネにしたKleiner PerkinsとBOX。特にFlagship PioneerringとModerraの関係は、mRNAという理論をコロナワクチンとして具現化し世界を救った、偶発的ではない意識的にイノベーションを生み出す人間のクリエイティビティの最高潮といえるVCの醍醐味だろう。
本書に描かれる世界は雲の世界のことのように感じるが、本書を読むと興奮と高揚を感じるし、彼らも少し前は雲の下に居た、つまり読者だってイノベーターになれるんだという事実を気付かせてくれる一冊だ。
Posted by ブクログ
ほとんど表に情報が出てこないベンチャーキャピタルの世界を、少しだけ覗かせてもらった。
優秀なベンチャーキャピタリストを、一企業が雇うことは不可能。報酬体系と金額、そもそもの保有資産が莫大だから!
ベンチャーキャピタリストは、ベンチャー投資をギャンブルだとは思っていない。凄まじい労力をかけたデューデリと、ネットワークによる情報収集、ビジネス拡大の能力を持ち合わせており、腕に自信があるから!
Posted by ブクログ
実際にキャピタリストにインタビューされている書籍。具体的かつリアル感があり、とても面白いです。グーグル先生のいる時代に、もはや分析を読まされるより、リアルな人の言葉をまとめてくれた方が興味深いです。
しかも、日本人が著者ということでさらに読みやすかったと思います。
投資から融資へと資金調達が変わってきているなど、VC界、起業界隈の変化を体感できました。