あらすじ
ベストセラー
『事故物件怪談 恐い間取り』シリーズの著者、松原タニシ最新刊
触れば即死の石、見てはいけない祭り、米を作ると死ぬ田、死者に届く手紙……
本当に怖いものとは何なのか。
究極の未知=死を追うノンフィクション
心霊スポットに飽きてしまった…? から始まった「死から知る生の旅」
【目次】
熱海、未完の橋を目指して逃亡の旅
心霊スポットに飽きちゃった? 自我崩壊、目的のない旅
精霊、通り魔、生首女……恐怖が渋滞する異国の地・タイ
宮崎で七百体の石像と戯れ、神話の世界を大冒険
正義とは何なのか? 鬼の棲む城で命がけの崖くだり
出会って〇秒で即死する怨霊 七人ミサキを追いかける
いざなぎ流の太夫が見た、変な死に方をしたうしろのモノ
伝説の霊能者の聖地にて確実に豹変する後輩芸人
自殺の名所・東尋坊に行っても自殺者の気持ちはわからない
原稿の締切守れずリアル島流し 流刑の島とキリシタン島で執筆
絶望と希望が同居する廃墟の島には猫がいっぱい
島中の電灯が消える時、神様は絶対に見てはいけない
死る旅ギャラリー
この世とあの世の境界で死者への手紙を天国に届ける
沖縄戦激戦地と防空壕でありったけの地獄巡り
人は裏切る、遺体は裏切らない 遺体管理人が見つけた居場所
孤独死について考えた 東北いわきで生と死の祭に参加
二十六年と十年経って、初めて向き合った二つの震災
即身仏になるために死ぬけど即身仏は永遠に死なない
人のために力を使い続ける現代のシャーマン
触れば即死、指差しても吐血のたたり石で百物語
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
誰も知らない場所に一番に行きたいと、冒険家のようなことを言っているのが面白い。心霊スポット探しも、一歩間違えば不謹慎になってしまうから、難しそうだ。
怖いのは好きではないが、書き手があまり怖がらないのと、真面目な人柄が伝わってきたので、楽しんで読めた。この人の本は初めてだが、他のも読んでみようかな。
Posted by ブクログ
生きるために死と向き合った僕の旅。
とあるように、最後の方、現代のシャーマンのさっちゃんとの対話で、タニシは本当の自分と向き合う。感動的なフィナーレのはずが、話は続く。田中さんとのたたり石での生配信でのエピソード然り、タニシは本当に面白い。怖い中にユーモアを絶妙に混ぜてくるので、これからの彼にも注目していきたいな、と思う。
Posted by ブクログ
この本で5冊目になりますが…
日本と海外(タイ)の心霊スポット巡りをまとめた感じでした。恐くないので、夜も読めました(笑)
途中、心霊スポットの画像があったり、講演会をされた話もあり、考えさせられるところもありました。
Posted by ブクログ
全国の心霊スポットやキワモノ的なもののルポを漫然と並べつつ、「事故物件住みます芸人」としての自分を見つめなおす松原タニシ。
死とは何かというテーマの核心に少しずつ近づいてゆく流れはあるものの、あまりにも淡々としている。事故物件という非日常に感覚を破壊されすでに何もかもがマヒしてる状態と思うと薄ら怖い。
なんといっても、心霊スポット訪問アルバムの中に、さも当たり前のように「顔真っ黒写真」がまじっているのが怖かった。二度目とはいえ普通の感覚ならもっと騒いでネタとして消費するものではなかろうか。それが、今年も桜が咲きましたよ程度の温度なのだ。顔真っ黒なのに。狙ってるとしたらあっぱれとしか言いようがない。
そして巫女さっちゃんあの言葉。その後に続く中年期の危機を乗り越えるような総まとめらしき文章の意味の分からなさ。分かるようで分からない。幽霊のひとりごとを聴いてるような距離を感じる。それがまた巫女さんの見立てを裏付けるようで味わい深かった。
松原タニシはすでにもう生ける実話怪談なのかもしれないと読んで思った。とすると、ある意味三木住職の予言は当たっているわけだ。締めにあの予言まで絡めてほしかった。
Posted by ブクログ
芸人の著者が死を通して色々な角度からレポートしてくる形式の本。
事故物件に住んで霊的スポットを巡る、冷やかしや人としての欠落を心配しながらも読み進めると、この本を手にして良かったと思える部分にたどり着いた。
今は無人島となっている鶴島。
かつてキリシタンの弾圧で島流しになった方々が信仰と島での労働を仲間とともにした。
この本でなければ知る事も出来なかった事だ。
無人島とは言え所有者がおり、勝手に上陸してはゴミを放置してやりたい放題の人が困らせているという話、どこでも今に至るまでの背景が必ずあるのだから自分ごととして大切に考えないといけませんね。
沖縄の防空壕巡りの章、案内板の立入禁止の意味には肉親が亡くなった場所であり肉親を踏みつける事を断るという存命の遺族の願いが霊的な何かを発している…それは思いもしなかったけれどあるだろうなぁ。
遺体管理人の話、そして直葬専門の会社を経営されるご夫妻の話。
通夜告別式を行わず納棺後すぐに火葬するのを直葬と言うらしい。
ご遺体との関わりも心を持って向き合う人がいらっしゃる。
現代は人の死を身近に体験しない人が多いからこうした方の存在は支えになるでしょう。
そしてミイラと即身仏の違い。
これもこの本を読まなければ知る事も無かった。
即身仏になるきっかけも過去の出来事である飢饉との関係もあるとあり飢えて亡くなる方の冥福も祈りながら読んだ。
自殺名所や心霊スポットに行ったり地元の人に幽霊の出るところはないかと失礼とも取れる関わり。
何だかなぁと思うものも多いこの本だけど、死を色々な角度から描く著者を通して自身の視界の狭さにも考えさせられた。