あらすじ
「コモングラウンド」とは著者が提唱する概念で、コミュニケーションを取る上で欠かせない相手との共通理解や会話のバックグラウンドのこと。人同士でも齟齬が起きがちなコモングラウンドの構築は、AI(人工知能)とのコミュニケーションとなるとより困難になる。本書では、会話の際に人が行っている行為を解説しながら、それをAIと共有するための技術について、また、人同士の会話をよりスムーズに行うためのAIのサポート技術について、現時点での到達点と今後の可能性を明らかにする。
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Posted by ブクログ
古きよきAIのことをGOFAIっていうの初めて知った。インタラクションやAI研究を初期から引っ張ってきた西田先生の書籍だけあって古典的な理論までかなりよくまとまっている。そしてわかりやすい。
Posted by ブクログ
エージェントのエンジンについて、思索をめぐらす目的で購入しました。
結果、第5章 6章で、多くのアーキテクチャが紹介されており、当初の目的は果たせたと考えています。
また、個人的に良かったことは、チャットボットなどの対話エンジン、そしてこれから出てくる会話エンジンに関連する技術について、古典的な論文・書籍を織り交ぜて紹介があったこと。
技術とその歴史について、体系的に学ぶことができました。
その上で、コモングラウンドおよびそれを活用するエージェントエンジンを実装するとなった時、思考を重ねても非常に難しいと痛感します。書籍の終盤で、豊田先生はエンビジョニングやそれを実現する視聴覚とテキストのマルチモーダルに期待を寄せているようにも見えました。
なお、2022年末はChatGPTが多いに話題になりましたが、GPT3.5がベースの言語モデルは確率的に文章を生成しています。ですので、不自然や間違いが多く指摘されています。ここにコモングラウンドが加わると、ますます身近なAIが生まれるのだろうなと感じました。